[携帯モード] [URL送信]

のべる
本屋日和【細道編】
※芭蕉さんLOVE曽良くんに注意!
※腐ってます。
※現パロ








好きな人と嫌いな人。あまり区別してない方だと思ってた。なぜなら皆みんな同じ風に接しているから。
好きな人と嫌いな人。どちらにも向かない人がここに居た。その人は皆と同じ風に接しているから区別出来ないんじゃなく……
「さぁ、今すぐ結婚しましょう」
「………ダメだよ、お客様…」
私の事が大好き過ぎて区別出来ないんだ。





本屋日和。







お洒落な通りの一角………の後ろの地味な通りの一角が私のお店。ちょっとした本屋さんだ。本屋さんを立てた理由はちょっとした恋愛小説がきっかけ。その小説と同様にウチの売り上げは地味な割にはいい方……あの彼が来てから。
名前は河合曽良。綺麗な肌、何もしていないのにぴり、と来る威圧感。街中を通れば彼の後ろを毎日無数の女子が追いかけまわる。去年のバレンタインではお菓子の家を建てれるくらい、芸能人お手上げのチョコをもらっていただろう。そんな彼が私を好きになる意味?ありません。絶対に?有り得ません。
有り得ます、に変わったのは少し前の五月十日。よく晴れた昼下がりの事だった。ワーキャーワーキャー騒ぐ声が聞こえるなぁ、と思えば店のドアから彼登場。そして私の顔を見る。そしてそのまま停止。びっくりして戸惑っているとー
「昔から好きでした、結婚してください」
突然の結婚宣言。ワーキャー言ってた子達も黙る。私といえば分かりやすく顔を赤くし、こんなに泳ぐものなのかという目を動かす。
「あっ、えっ、う……」
悶える私と違い、無表情の彼は問答無用!という様にこちらに来る。
「あっ、あのぉ…しっ、仕事中だから落ち着いて、ね!!!!」
そういい私は休憩所に向かった。全速力で。騒いでた子のポカン、とした顔をよそにアルバイトの妹子君を置いて、休憩所の椅子に腰を下ろす。バタン!と勢いよく閉めたドアの奥から騒ぐ声。もうどうしていいか分からなかった。
「どうしようか……」
驚くべき事の連続打撃にたちうちなど出来ない。
イケメンの人からの結婚宣言、しかも男。ワーキャー言われるイケメンかや結婚宣言、しかも男。極めつけは喜びを感じる私、しかも男……
自分を好きになったのは嬉しいけど、なんで私なんだろう……?
そう思っていた時、私の上から何かが落ちてきた。
「貴方が綺麗で仕方ないからですよ。」
はい、ご本人登場…………!!
しかも心読まれてた!!!
なぜか開いていたドア、聞こえなくなった騒ぐ声。
このお客様怖い………!!
よくわからぬ彼は私の上に乗っかったまま話を続ける。
「僕が貴方を好きな理由は貴方の滲み出る優しさです。」
「優しさ?そんなの……」
私に優しさなんてないよ、そう言うはずの口から声は飛ばなかった。……口が塞がれていたから。彼の唇で。
真っ赤に染まった私の身体を見て、ひきつった笑みを見せた彼。何かの火をつけたかな……
「貴方が、愛しく、綺麗。それはどの人に言っても返される一言ですよ。」
僕は窓から毎日見てましたから。そういった様にも思えた彼からはどこか甘えが見える。綺麗なのは君の方で。こんなに愛しいのもきっと君のせいだよ。
本屋を作ったきっかけの恋愛小説の終わりも、こんな風に笑顔で終われたっけ……


でもこれは序章に過ぎない。終わりなんて先の先。探偵小説じゃあ始まってもない。
まだまだ続く私の恋愛小説。結末はー・・・








細道組 本屋小説。100人越えたため作りました!!!この本屋のお名前は…次期の飛鳥か天国でつくらせていただきます!!

[*前へ][次へ#]

3/6ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!