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同盟-4[ウサギ's・猫・ネズミ(・芋虫)]


小さなウサギの姿になった白ウサギに、チェシャ猫は非難の声を浴びせかけた。




「ちょっと、宰相さんずるいよー」

「ずるくなんてないですよねっ。 ね、アリス」




もこもこのウサギが小首を傾げてアリスを見上げている。
正直なところ、アリスは揺らいでいた。


今膝に乗せている大きなウサギか、期待に満ちた目で見上げてくる小さなウサギか。


いつの間にかウサギで二択になっていることに気が付いたか、チェシャ猫はすっとアリスに近づく。




「アリス、ウサギより猫の方が良いぜ? 俺にしなよ」

「アリスはネズミが好きだよねっ。 俺にも膝枕してくれるよね!」




チェシャ猫に対抗するように、眠りネズミもアリスにアピールする。
これで膝に三月ウサギ、足元に白ウサギ、左肩にチェシャ猫、右肩に眠りネズミと、アリスは4匹に綺麗に囲まれてしまった。

アリス的にはおいしい状況だ。




(かわいい……選べない……)




いっそみんな一緒に愛でたい……と、アリスは思うが、周りはそれを許す雰囲気ではないだろう。
アリスが葛藤していると、白ウサギがじれてきたらしい。
ぽぽん、と元の姿に戻るなり銃を手にした。




「やはりこんな雑菌には堪えられません。 アリスには悪いですが、全員消えて頂きます」

「ちょっ……! 止めてペーター!」




慌ててアリスが叫ぶが、時既に遅し。
白ウサギの銃から放たれた弾は、真っ直ぐにチェシャ猫に向かっていった。




「おっと! 掠りもしてないよ宰相さん。 腕鈍ったんじゃない?」

「ふん! すぐにでもその無礼な口を開けなくしてやりますよ!」




ガンガンと耳障りな音が部屋を飛び交う。
こうなるともう止められないから、好きなだけやらせるしかない。
だがアリスは健気にも2人を止めようとしていた。




「2人共止めてったら! もう!」




アリスは何か2人を止められるものがないか、辺りを見回した。
しかしピアスはアリスの陰で震えているし、投げるのに丁度良いものもここにはない。


そういえば、膝に乗せてたウサギは……


そう思った途端、一際大きな銃声が響いた。




「てめぇら……人が気持ち良く寝てるのに邪魔しやがって……。 ……ぶっ殺す!」

「はっ! やれるもんならやってみて下さいよ!」

「いいねいいね〜、楽しくなってきた!」




 悪 化 し た 。




アリスは頭を抱える。


こんなの私にどうしろっていうのよっていうかさっきまであんなに可愛かったのになんなのこいつらいじめ?新手のいじめなのこれ


混乱したアリスは、据わった目をして立ち上がる。




傍らのネズミが「ぴっ!」と短い悲鳴を上げた。







  続く




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あきゅろす。
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