恋愛小説
『カモメの唄』
『カモメの唄』
「美弥子さん、ごめん……」
泣きそうな表情で彼が言った。
そして…手をのばし、私のお腹に手を当てた。
「ごめん…」
そこには新しい命がある。
「大丈夫。
私、今幸せよ。」
―…ありがとう。
*****
優希(ユウキ)が13歳になり、中学生になった。
私は今年で30歳になる。
「母さん、写真撮ろう!」
優希がカメラを持って来た。
もう中学生になるのに、私に対して反発もないのは父親似だろう。
「はいはい」
私が笑いながら行くと、優希が待っていた。
「はい、チーズ!」
カシャリという乾いた音がして、データ確認をした。
その後、優希はカメラを片手に友達と写真を撮りに走って行った。
私は近くのお母さん方と話始めた。
*****
しばらくして、優希が走って来た。
「母さん!これ!」
小さな紙を私に渡してきた。
「俺、タキ達と遊んでから帰るからっ!」
渡してきた張本人は直ぐさま駆けて行った。
「もう…何よ。」
紙を開くと文字が書いてあった。
【あの場所で待ってます。巽】
まさか、
まさか……
私は駆け出した。
"佐原 巽"
優希の父親の元へ…
*****
私達が別れた場所に着くとそこには二十代前半の男がいた。
「美弥子さん」
彼は泣き笑いで私を呼んだ。
END
年齢に注目すると驚きの真実があります。
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