普通の小説
『ある猫の話』
『ある猫の話』
一匹の猫がいました。
猫は女の子に拾われました。
女の子は時々泣きました。
「ママ、パパ…」
と、女の子は両親を亡くしていました。
猫には分かりません。
でも、女の子が泣いているとその側で言います。
「ぼくがいるよ、ぼくがいるよ、寂しくないよ。」
と、それは女の子には伝わりませんでした。
でも、いつもそう言った後に女の子が笑うので猫は嬉しく思いました。
ずっと、ずっと、
猫は女の子の側にいました。
しかし、
ある日、猫は倒れました。
寿命が来たのです。
猫は女の子に言いました。
「わらって、わらって」
猫の言葉は伝わりません。
女の子は泣きました。
でも、猫が事切れる間際
「側にいてくれてありがとう。」
女の子はいつもの様に笑いました。
そうして、
猫は女の子の胸で眠りました。
END
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