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焦燥

「あの、ロンナ」

「な、なんだ?」

すごく悲しげな顔をしているロンナの顔が印象に残る。守ってあげたくなるようなその表情が私の心をまさに射抜こうとしている。

「あなたはなにがしたいの?教えてくれない?」

「私は特にしたいことはない。ただ仕事を終え、解放感を得るためにココにいるのだが?」

そうだな、とロンナは付け加え、

「遊びたいと言う方が正しいな」

「そっか……」

廊下でホッとする私。申し訳ないが、すごく疑っていた。

ただ、遊びたいと言うだけだったのか。

「ココロナ。私はココロナが救いだ。逃げまくりの私を癒してくれ……」

表情もなく、死んだような顔をして私にお願いをするロンナ。
どうしたらいいかは、分からない。一緒にいることが心の救いならば私はロンナと一緒に居たい。

「わかった。居るよ」

ロンナは私に抱きついてきた。救いが欲しい。と訴える心の声が聞こえてきた。

「美しいな……ココロナは」

空中に溶けゆくロンナの一言。心が少し満たされた気がした。

「ロンナも、きれい」

お人形を抱きしめているかのようですごく愛情がわいてくる。何でこんなに愛おしいのだろうと。

「……ありがとう」

少しからだを離すと、にんまりと笑っていた。少し私より小さい子。

「まだまだ、私はココロナと遊びたい。良い?」

「うん……」

「嬉しいな。じゃあさっきの部屋に戻ろうか」

私はうなずき、ロンナの後ろについて行く。さっき入った門の部屋だ。さっきよりも広い部屋だ。

 ロンナはベランダに立ち、遠い教会の影を眺めていた。はぁとつくため息は何のためのものであろう。

「つらいことは、ないか」

「ないです」

そう答えるとまた、ため息をついて、苦笑いをした。彼女はどこへさまよっているのだろうか。

彼女は温もりを求めるかのように私を抱きしめた。

「キスが、したいの」

「えっ……?」

女の子同士のキスは未経験だ。そんなこと今までやったことないのだが……。

「お願い……」

ロンナは私の体に飛びかかり、キスをした。その次に撫でる髪と耳。ふわりさらりとなびく髪を撫で、強く抱きしめた。

「暴走してしまうのも無理ない……」

「ロンナ……」

再度のキスは舌をねじこみ、唾液という粘膜を絡め合った。私たちは何をしているのだろうか。

「最近覚えたキスなのだよ」

「そ、そうなんだ……」

いきなり舌を強くねじこむから、びっくりしたのだ。ロンナはどこで成長しているのやら。

こんな、逃亡人生を送りながらも彼女は何をしているのか?聞きたい。

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あきゅろす。
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