乱闘になりそうです(露/ギャグ甘)
学パロ、菊の妹、露の後輩設定です。
(君が僕を呼ぶ声も、その仕草も、全てが愛しいんだ。)
「イヴァン先輩ー!」
撫子はそう言ってイヴァンの方へ走って行った。
「なあに、撫子?」
イヴァンがそう言うと、撫子は笑って言った。
「あの、一緒にお昼ご飯食べてもいいですか?」
「うん、いいよ。」
満面の笑みになった撫子を見て、イヴァンは自分の頬が熱くなるのを感じてマフラーで隠した。
(本当によく僕になついてるなあ…。でも、撫子…。僕の好きは『愛してる』の方の好きだから、たぶん君の好きとは違うよ?)
「イヴァン先輩、どうしたんですか?」
イヴァンは撫子に顔を覗き込まれていた事に気付くと、「何でもないよ。」と言って続けた。
「ああ、でも撫子、ちょっと待ってくれる?」
「はい!イヴァン先輩!」
撫子がそう言うと、イヴァンは天井に向かって「コルコルコル…」と言い始めた。
次の瞬間。
ドガッ!ドスン!!
「痛たたたた…。」
「お、お兄ちゃん?!」
天井から、菊が降ってきたのだった。
ちなみにイヴァンはまだコルコルしている。
「あれ〜?菊、こんな所で何してたの〜?もしかしてストーカー?(コルコルコル…)」
菊イヴァンに気付くと、すくっと立ち上がってイヴァンを指で指した。
「イヴァンさん!今すぐ撫子から離れて下さい!」
「え〜どうして?(コルコルコル…)」
「だって貴方、いつも撫子と一緒にいるじゃないですか!」
「いいじゃない。君に何か言われる筋合いはないよ〜?(コルコルコル…)」
菊は、「それに…」と付け足して、オロオロしている撫子をチラッと見てから言った。
「どうして…どうして、撫子の口からは貴方の名前しか出てこないんですか?!おまけに撫子、最近ロシア料理の練習までしだしたんですよ?!」
「え……?」
「お、お兄ちゃん!?何言ってるの!止めて!!」
撫子が話しを止めようとするが、菊の勢いは止まらない。
「その上イヴァンさんの好きなものまで調べ始めますし!口を開けばイヴァンさんイヴァンさんイヴァンさん…!私には分かってますからね!貴方、撫子を子分の一人にする気でしょう?!そんな事させませんからね?!」
一気に話して息が上がったために菊が話すのを止めると、辺りに静寂が広がった。
その中で、撫子は顔を真っ赤にして絶句していた。
「あ、あ、あの…イヴァン先輩………今、のは……違う、くて……」
「違うくありません!撫子は私が守りきってみせますからね!!」
「お兄ちゃーーーーん!!」
半泣きで菊を睨みつける撫子を見て、イヴァンは優しく微笑んだ。
そして、撫子の頭をそっとなでた。
「イ、ヴァン先輩…?!」
その行動に驚いた撫子はイヴァンを見上げる。
イヴァンは撫子と目線を合わせて言った。
「ねえ、撫子。いいこと教えてあげる。」
「な、何ですか…?」
「僕が好きな……愛してるのは、撫子、…君だよ。」
「「…………っ!!」」
驚く本田兄妹の妹の方、撫子の方の手をイヴァンはそっと取った。
「さ、行こうか。お昼ご飯一緒に食べるんでしょ?」
イヴァンがそう言うと撫子は少しの間イヴァンをじっと見つめていた。
それでも言われた事を理解すると、撫子は「はい!」と言ってイヴァンの手を握り返した。
それから「ありがとう、お兄ちゃん!」と絶句している菊に言って、イヴァンに「大好きです!」と言った。
イヴァンは見せつけるようなキスをそれの返事として。
菊が乱心するまで後十秒。
***乱闘になりそうです***
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