立派、やっぱ、好き(仏/CD発売記念)
菊の妹、フランシスの恋人設定です。
「……フランシス。」
「なんだい、撫子?」
「…これ、何?」
私が手に持っているのは、昨日アニメイトで見つけたフランシスのCD。
なんでこんな物が?
いつの間にCDなんて出してたの?
フランシスは「あ、買ってくれたんだー!」とか言って、途端にニヨニヨし始めた。
「どうどう?お兄さんのマルセイユの花のごとき美声は!惚れ直しちゃった?!」
「……声はよかったよ。」
「でしょーっ!って、声“は”?!
あー……撫子、なんか怒ってる?」
「何で?」
「いや、それはお兄さんが聞きたいんだけどな…。」
困ったような声をだすフランシスに私は思わずため息をついた。
どうしてCD出すって事教えてくれなかったの?
私、フランシスの彼女じゃなかったっけ?
やべ、何か泣きそう。
「私、お兄ちゃんのとこ行ってくる。」
「ちょ、おいおい!彼氏が家に来てるのに、兄ちゃんとこ行くかよ普通?!」
フランシスはそう言って、私の手をつかんだ。
「それじゃあ、CDだすなんて大事な事、彼女に黙っておくかよ普通…。」
涙目であろう顔を上げてフランシスを睨むと、フランシスは一瞬驚いたような顔をした。
「…なんだ、そんな事?」
「…そんな事って何よ。」
「ああー、ごめんごめん。撫子にCD出すの黙ってたのにはちょっとワケがあってさ…。」
「ワケ?何それ。」
「コレ!」
そう言ってフランシスが取り出したのは…
「……ミクコス?」
それもスカート丈がやけに短い。
「これを撫子が着て、俺の曲を歌ってもらってから、『これフランシスの曲なのー?!かっこいい!惚れ直しちゃったー!』…的な予定だったんだけど、順番がちょっと変わったな…。でも、まあいいや!はい、撫子!」
「コレを私が着て歌って踊れと…?」
「もちろん。もしかして嫌?」
「当たり前でしょ!何コレ?スカートなの?ただのヒラヒラじゃん!」
私がそう言うとフランシスは手をワキワキさせながら近付いてきた。
「へえー…。それじゃあお兄さんが着替えさせてあg「今すぐお兄ちゃんに大声で助けを求めようか?」え、ちょっとそれは止めて!お兄さん菊に殺されちゃう!ぐちゃぐちゃになっちゃうよ?!」
「じゃあ、それ以上近寄らないでよ!」
「ええー、いいじゃん着ようよ!ほら…。」
「お兄ちゃーーーん!!助けてっ、変態に襲われるーーーーっ!!!」
ドタバタドタ!
スパアアアアアアアン!!
「どうしましたか撫子!フランシスさん、撫子に何を…?!」
「うわあっ、菊!何で刀なんて構えてっ…?!」
「お兄ちゃん、フランシスが…!」
きっとお兄ちゃんには涙目の私と、スカート丈が異常に短いミクコスをもったフランシスはとってもいかがわしいものに見えたに違いない。
「おのれ若造…!私の愛妹に手を出すということは、それなりの覚悟があっての事であろうな…?!」
「菊、待って!落ち着いて話し合おう?!」
「問答無用っ!!」
「ぎゃああああああああっっ!!!」
ごめん、フランシス。
でも…曲、すごくかっこよかったなんて絶対言えないんだ。
ちょっと……かなり、惚れ直しちゃうよね。
***立派、やっぱ、好き***
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