オシマイ・前(端/裏)
※夢主とバッシュは絡みません。バッシュがあんあん言ってます。
その日我が輩は、撫子にリヒテンの事で話しがあると呼び出されて、不信に思いながらも行ってみれば…
そこには撫子がいて、我が輩の事を挑発して来た。
それに気がとられていた我が輩は、背後から近づいてくる撫子の手下に気付く事はなかった。
「………どういうつもりであるか、撫子。」
それからはあっと言う間で、後ろの気配に気付いた瞬間、頭に激痛が走って、ああ我が輩は殴られたのだ、と理解した。
そして、気がついたら我が輩は、どこかの部屋の柱に縄でくくりつけられていたのだ。
我が輩が睨みつければ、撫子はさも楽しそうに笑った。
「何って、いったでしょ?リヒテンシュタインちゃんの事で話し合いがしたいって。」
「……これが話し合いだというのなら、貴様の頭はいかれている。」
我が輩がそう言えば、撫子はコロコロと笑う。
誰だ、こいつは?
本当に撫子か?
我が輩の知る撫子は、こんな事をするようなやつではなかったはずだ。
兄の菊の事が大好きで、よく笑い、撫子の花がよく似合う、そんな女ではなかったのか?
そう言ってやりたくとも、撫子にはそばに複数の手下がいるのに対し、我が輩は一人。その上身動きがとれない。
不利すぎる。
それに思ったよりもがちがちにくくりつけられているようで、縄ぬけなど使えそうになかった。
撫子はひとしきり笑った後に急に冷たい顔になって、我が輩を見つめてくる。
「だってさあ、バッシュ怒るし。」
「……話し合いの内容による。」
我が輩がそう言えば、撫子は我が輩の頬に手を添えて、我が輩を見下ろしてきた。
「じゃあさあ、リヒテンシュタインちゃんと縁切ってよ。」
「なっ、何故だ…!お前は我が輩とリヒテンが共存している事を知っているだろう?!」
そう言って撫子の事を見れば、撫子は俯きながら涙を一筋流していた。
「……だって、お兄ちゃんが、イヴァンにっ…脅されてて…っ!でも、お兄ちゃんは優しいから、そんなのできない…って!」
「…………撫子……!」
ああ、撫子は変わってなどいなかった。
ただ、窮地に追い詰められて、兄への愛が歪んでしまっただけなのだ。
「けど…っ、このままじゃお兄ちゃん、消えちゃう、から…。だから、だから……私がやってあげるんだよ?」
撫子はそう言うと、我が輩の目を手でおおった。
そして暗闇の中で感じたのは、唇同士が触れ合う柔らかな感触。
ああキスされている、と感じた頃に撫子は唇を離し、手を下げた。
そして、耳元で囁いたのは
(私、貴方が好きだった)
我が輩もだ、と紡ごうとした我が輩の口は、撫子が手に持っているものに驚愕して、動く事はなかった。
まるで、何かの寄生虫のような。
それにしては異様に長い、そしてヌメリ気のあるそれから撫子は手を放す。
複数あったそれはべちゃべちゃと床に落ちて、うねうねと動いていた。
それは何か、と尋ねれば、撫子はわからない、と答える。
そして付け加えて、言った。
「……でもね、私の言う事はよく聞くんだよ?」
そして次の瞬間、撫子は刀で我が輩のベルトを断ち切り、そのまま刀の切っ先でズボンごと我が輩の下着を一気にずり下げた。
「……………な…何をするのであるかっ?!」
「………だって、私思ったの。リヒテンシュタインちゃんがバッシュを嫌いになれば、あの子は傷つかないですむよね?」
撫子がそう言ったその瞬間に、寄生虫のような触手が一斉に我が輩の足に登ってきて、そして―――
「――――っ!!」
ねっとり、と我が輩のペニスに絡みついてきたそれは、そのままぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
我が輩があまりの事に声を出せないでいると、撫子は「感じた?」と言って笑った。
それに続けて、撫子は言った。
「リヒテンシュタインちゃんがもうすぐ来るから、それまで耐えてね?」
それは、死刑宣告のようにしか聞こえなくて。
撫子に待ってくれ、と懇願したが、撫子はそのまま部下と共に部屋を出ていってしまった。
部屋に残されたのは、狂った触手と我が輩だけ。
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