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大好き(日+黒西/病み主、グロ注意)


菊の妹設定です。




私の腕の中には既に冷たくなってきている、兄の体が横たわっていた。

生々しい切り傷。
そこから流れでる血液。
お兄ちゃんはもう動かない。

殺されたから。

この、アントーニョ フェルナンデス カリエドに

今、コロサレタカラ。


「…………どうして…こんな…!」


この男は、私がそう言うとくつくつと笑った。


「何で?そら、菊が悪いんやん。」


何がそんなにおかしいの?

何でいつもと同じ顔でそんな事を言うの?


「俺は忠告したやん?俺と撫子ちゃんの仲邪魔したらあかんって。」


私とあんたの仲?

あんたなんかなんとも思ってない!

かえせ、お兄ちゃんをかえせ…!!


「撫子ちゃん、これで邪魔する輩は誰もおらんで?」


ぐつぐつ、ぐつぐつ
私の怒りと悔しさと憎しみが混ざり合っていって、煮たっていく。

憎い、憎い憎い憎い憎い憎い憎い、この男がニクイ…!!

ぐつぐつ、ぐつぐつ

お兄ちゃんごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…!


神様、神様…お兄ちゃんはもう笑ってはくれないのでしょうか…?

お兄ちゃんは、もう私の事を抱きしめてはくれないのでしょうか…?

私は、お兄ちゃんのいない世界で生きていかなければならないのでしょうか…?


そんなの嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…!!

そんな世界のどこに私の存在理由があるのですか?

私に、そんな世界の中で生きていけと申すのですか?


「俺、撫子ちゃんの事むっちゃ愛してるで?だからな、邪魔なやつは許せへんのや。」


このまま時間が止まってしまえ、この空気に溶けてしまいたい…!

このままお兄ちゃんと共に消えてしまえたらどんなにいいか…!


「撫子ちゃん、ちょっとは反応してやー?」

「…………………っ……。」

「んー何?ごめん、聞こえんかったわー。」

「………私は…あなたのものになる事はないわ…。」

「この状況でそんな選択肢あると思ってるん?」



そう言う彼の前で、私は言ってやった。


「お兄ちゃんが見えないなら、こんな目いらない!」


ぐちゃり、粘着音と共に彼に見せつけるように両目に指が飲み込まれていった。

私の指を伝うのは、血か涙か、それとも両方か。


「っ、なにやってるん?!?!」


お兄ちゃんの声が聞こえないなら、もう耳もいらないな。
私は次は耳を削ぎ落としてしまおうと決意して、ぐちゃりぐちゃりと、指を更に目の奥にねじ込んだ。
焼けるような痛みが全身をかけめぐり、意識を失いそうになるけれど、もし助かってしまったら嫌だからもっともっと指をねじ込む。

いっその事、この指が脳まで届いてしまえばいい。

そう思ったのに、たぶん彼に腕を引っ張られて、目から指が抜けてしまった。

でも指にはまだ何か刺さっている感覚がする。一緒に眼球でも抜けたかな?


私のこの目はもう二度と世界をうつす事はないだろうけど、でもいいんだ。

だってほら、真っ暗な中にはちゃんとお兄ちゃんがいるじゃない?


「…………お兄ちゃん……また、会えたね……?」


私がそう言って笑いかけたら、お兄ちゃんも笑いかえしてくれた。

あのね、お兄ちゃん。私、今すごく幸せだよ!

だってまたお兄ちゃんに会えたもの!

だから今度は、今度こそは、ずっとずっと、一緒に居れるよね?



崩れ落ちた少女は幸せそうに笑っていて

少女からこぼれ落ちた眼球は、ただ絶望する青年を映していた。









***大好き***

あいやー、やっちまった
たぶんグロいはず。
設定としては、日→←主←西。

グロ書くの意外に楽しかった(←え

でもグダグダ





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