何てかわいい(中/誕生日記念)
最近、撫子が我にちっともかまってくれねーあるよ…。
朝はヨンスに電話して、昼はヨンスの所に遊びに行って、夜はヨンスとメールして…。
撫子は、我といるよりヨンスといた方が楽しいあるか?
我よりもヨンスを好きになっちまったあるか?
いや、そんなはずないある!
だから今撫子の後をつけてるのは撫子の安全を守るためある!
ぜんぜんストーカーとかじゃねぇあるよ!だからあの二人の会話を聞いててもいいある!
「あ、ヨンスー!」
「おっ、撫子!ちゃんと考えて来たんだぜー!」
「本当?私もね、考えたよ!」
考えた?何をあるか?
そんなの撫子、我に何も言ってくれてねぇよ!
ヨンスと二人だけの秘密ってやつあるかあああ?!
「俺はやっぱり服は着てた方がいいと思うんだぜ!」
「私もそう思う〜!じゃあ服はきたままね。」
服うううう?!
え、何あるか?!じゃあ撫子はヨンスの前だと裸あるか?!
何て事あるううう!!
ヨンスの野郎おおおおおお!!!
「それと撫子、ちゃんとキスするんだぜ!」
「えっ、あ、うん!がんばる…!」
キス?!今キスって言ったあるか?!
キスするって、え、ヨ、ヨンスと、ある………か……?
嘘ある……。撫子が、ヨンスとキスなんて、ありえねー…よ…。
でも撫子、最近はずっとヨンスにかまいっぱなしだったあるし…。
…ああ、撫子は…ヨンスが好きあるね?
我よりもヨンスがいいあるね?
それなら、我はここにいちゃだめある…。
二人の邪魔しちゃいけねーあるよ…。
…………………早く家に、帰るよろし……。
ーーーーーー
「ただいまー耀!」
「…………。」
「どうしたの、耀?何か無口だねー。」
「……撫子、我と別れるよろし。」
「…………え?」
そんな悲しそうな顔すんなよ。
撫子はヨンスがいるある。
本当に悲しいのは、我ある。
「どうして、耀…?」
「………撫子は、我といるよりもヨンスといる方が楽しそうある。」
「耀、見てたのっ?」
「ああ、全部見たある。お前らがキスする直前まであるが。」
「…………キス?」
「撫子、頼むから、我が別れようって言えるうちにどこか行ってくれねーあるか?じゃないと……我、撫子にひどい事しちまいそうある。」
我は撫子が大好きある。
できる事なら、ヨンスにとられないように家に閉じ込めておきてーよ。
……でも、そんな撫子が傷つくような事はしたくないある。
だから早く、我の視界からいなくなるよろし!
「耀、待って、違うよっ!私、ヨンスとはそんな仲じゃないよ!」
「どこが違うあるか?あいつの前だと服着ねーくせに。」
「それも違うよ…!あのね、あのね、耀…!」
涙目の撫子がそれに続けて言ったのは
「お誕生日おめでとう!!」
それと同時に我に差し出したのはチャイナ服を着たパンダの人形だったある。
あ……もしかして……
「撫子、ヨンスと話してたのって………」
「ヨンスと話してた服の話しはこの人形の服の事だよ!別に私の話しじゃないから…っ!」
……何て事あるか。
すっかり自分の誕生日の事なんか忘れてて…
とんでもない勘違いして…
我は、撫子を傷つけてしまったあるよ。
「撫子……すまねかったある。」
「ううん、いいの。分かってくれたなら…!」
「でも撫子、キスの事はなんだったあるか?」
我がそう言うと撫子は途切れ途切れに、顔を真っ赤にしながら何か言ったある。
それを繋ぎ合わせると、
『耀に人形を渡した後どうするかの話し』
それを理解したら、撫子が顔を更に真っ赤にしたある。
そして……
「耀、一回しかしないからね!」
ちゅ
次の瞬間には撫子は我の胸に抱きついていて
「…耀、ウォーアイニーっ……!」
***何てかわいい***
(………!我もウォーアイニーある!!)
始まりは勘違い、
終わりは愛情。
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