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「私…いらないから。お腹、いっぱいなんだ…」


遠慮がちな男の子の手にそっと自分のパンを乗せて握らすと、最初は驚いた顔をしていたのに、空腹を満たすため一気にそれを喉の奥へと詰め込み始めた。


「あり…がとう…っ!」


男の子は少し照れながらお腹をさする。


「もう、お腹は大丈夫?」

「………」


どうみたって一食にしては少なすぎる量だ。

少年も正直まだ食べたりないという表情を浮かべている。



チアキは少し考えながらも、きっと頼めば許してくれるのではないかと思って、アオイたちから持たされた荷物をあさり、食糧を少し少年に渡した。


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