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「おいちび」
「チアキ…です」
「うっせーな。そんなのどうでもいいんだよ。で、ちび、お前身内は、種族は?」
突然の質問に内容が内容だったのでチアキは話すのを躊躇ってしまった。
「えっと……………」
「おい、黙るな。はやく答えろ、じゃねえと―――」
苛つくアオイはチアキに向かって手をあげる。
すぐに悟ってチアキは弁解の声をあげた。
「わ、わからないの!」
「嘘をつくな」
「本当に私は……」
アオイはギリっと歯軋りさせるとチアキに向かって手を伸ばした。そしてチアキがその手に気づく前に……
「…あうっ――っ…!!」
髪を鷲掴みにし、無理やり引っ張るアオイ。
ぶちぶちと髪が強引にも引き抜かれる音が鮮明にジールの耳にも届いた。
あまりの痛みに涙が出そうだったが、チアキは歯をかみしめて必死にそれに耐えようとする。
恐怖ゆえに抵抗は出来なかった。
「正直に言え。」
「…っ――、わ」
「ああ?」
「私は…この世界の人間じゃない、の…っ」
「はあ?お前、下手なウソをつくんじゃねーよ」
チアキを調教するかのようにアオイは更に髪を強くみしみしと軋みの音を鳴らせ、引っ張り上げる。
チアキは髪だけでなく脳まで一緒に抜かれてしまうのではないかと思った程酷い痛みに感じた。
「本当…だ、よ…っ」
「あのなぁ、いい加減にしねーとお前―――」
アオイははっと思いだす。
どういう原理かはよくわからないが、記憶の断片の映像が自分の頭の中で突如展開し、再生された。
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