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さらにチアキを取り巻く環境の悪化は絶壁に彼女を追い込んだ。



フォルテーシウ街のあの惨劇はチアキが招いたものだと噂が広まったのだ。


そして一気に煙たがれる存在にと変わってしまった。


みな、チアキと視線を合わせるとすぐどこかに避難するようになった。

また、小さな子供には小さな石ころを投げつけられるようになってしまった。



それでも、チアキはアオイが招いた災害だとは口に出さなかった。



民やアオイのするひどい扱いにすら反撃することもなかった。


アオイは自分がやったことだとは覚えているらしいが、何も言い出さないチアキに罪をかぶせた方が好都合だと、いつも傍観していた。


また、ジールも次の展開はどうなるのだろうかといつもへらへら笑顔を振りまきながら、事の成り行きを楽しんでいた。




「ねぇ、チアキちゃん。なんで言わないの〜?アオイがやったことだって」

「………」

「そういえばだれか信じてくれる人がいると思うのに。ねぇ、このまま黙っているつもりなの?」

「……」



チアキは一向に黙ったまま、アオイの指示に従って買い物を済ませて
いく。


といっても、店の者はいやな顔を見せながら、わざと商品にもならない不良品をチアキに渡しているので、ジールはそれを楽しそうに眺めていた。



「まぁ、チアキちゃんは諦めないんだってことはわかったよ。でも、俺は楽しませてもらうよ?諦めないとか言いつつ、絶望に伏して諦めるその瞬間を。無駄に頑張れば頑張るほど辛くなるって覚悟していたとしても、その衝撃は大きいと思うしね」



きっとジールは映画を見ているつもりなのだろう。



自分の被害が及ばなければ、たとえ他人がどんなにかわいそうな事になろうとも、その展開を楽しんで眺めているだけ。



ただそれだけのことなのだから。



「泣きたいなら泣けば?」

「泣かない。…まだ、耐えられるから」

「いいね、いい意味で期待を裏切ってくれて。そういう子大好きだよ」




ジールはチアキの言葉に満足そうにほほ笑んだ。




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あきゅろす。
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