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がむしゃらに廊下を走り、運よく付いたそこはこの建物の正面玄関だった。

ここはやはり病院だったのだろうと理解した。



そして、玄関を出ると、そこには階段に腰をおろしているまぎれもないアオイの背中をみつけた。


「ア、オイっ…さん…っ!」



息切れしながらも彼の名を呼ぶ。


しかし振り向かない。



もう一度自分の心臓を落ち着かせてからその名を呼んだ。



「アオイさん…!」



すると彼の体が反応した。そっと自分の方へと振り返る。


どきどきしながら、チアキはどこかで期待していた。



アオイさんは、やっぱり自分の知っているアオイさんだと。







しかし―――


「何だ、てめぇ…」





眉間にしわをよせ、まるで汚いものを見るかのように軽蔑したまなざしでチアキを一瞥した。




まるで自分のことを初めてみる人のように。



「お前、なんな訳?俺の知り合い?ああ、もしかして、俺に買われた女とか?」

「アオイさん……?」



絶対これは何かの冗談だと、チアキは自分に言い聞かせた。


そんなはずがない。



「全く、困ったことをしたもんだな、俺は。くだらない買い物しやがって」


そんなはず…な、い……。

これは何かの冗談だ…。



彼は立ち上がりチアキを下から順々に観察していった。
そして微妙な顔つきでチアキの顔を見る。




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あきゅろす。
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