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「大丈夫?」
「ジール…さ…ん」
おそるおそる布団から顔を出すと、驚いたことにジールの体にも包帯がぐるぐると巻き付けられていた。
そして額にも止血の手当てをしたあとが見受けられた。
「その怪我…!」
「ひどいよねぇー…アオイの奴考えもなしに力を解放しやがってさ」
「……」
やっぱりジールさんはアオイさんがこれをやったんだと知っているんだ、と唇を噛んだ。
「ひどいもんだぜ?ただでさえ街は火事で壊れかけていたのに、とどめに竜巻を放ったからな、あの野郎は…。街は半壊。んでみんな体はボロボロ」
「………なんで…」
「ん?」
「なんで、アオイさんがこんなこと…」
あんなに優しい人が
このような災害を巻き起こすはずがない。
チアキはそう信じていた。
そう信じたかった。
のに……どうして?
「…本人に聞いてみれば〜?」
「?」
「アオイなら、さっき見かけたよ。ここを出たところに」
「!」
チアキは自分の足に巻かれていた包帯を勢いよくむしりとると、床に降りて急いで部屋を飛び出した。
そうだ、
まだアオイさんは生きているんだ!
自分がアオイさんに会っても聞きたいこと話したいことがあり過ぎて言葉に詰まってしまうと思うけれど、
アオイさんに会えば自分の疑問の答えが待っているんじゃないかとチアキは確信していた。
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