[携帯モード] [URL送信]
5




「殺す。殺す。殺す…お前を、殺す…!」


体を翻し、着地を決めるとアオイはとうとう集めた風を己の剣へと纏わせ、大技を出すために構える。


もう、表情は力に餓える、殺しに飢える、悪魔そのものでしかなかった。



アオイの頭には何度もとりつく悪魔のささやきが聞こえる。




男を殺してやれと。

そして自分を助けてやれと。




男を殺せば、それが彼にとっても救いになるんだ。



これは必要な犠牲なのだ。






―――――――――だから殺してやれ、と



「ああ、殺してやるよ…!!」


「アオイさん、だめ――!!!」





剣を振りかざし、全ての大気のエネルギーを解放する瞬間。





その場にふさわしくない、少女の声が最後に聞こえた。





[*前][次#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!