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「はは…は……そうか、成る程な…。こんな大規模の炎の術式を展開出来るのは確かにあんたしかいないよな…。」


乾いた笑いしか浮かべることが出来なかった。

何で気付かなかったのだろうか。

この炎の術式を使う犯人は自分のよく知るこの男以外にいるわけがないのだ。



「何故ここに来たんだ、アオイは」

「お前を探すために、俺は…来たんだ」


そう、俺は過去と決別をしたいのだ。

そのためには…


「…そうか、出会えて好都合だったなアオイ」

「気安く呼ぶな、俺はお前を殺したくて殺したくてうずうずしていたんだからなぁ」

「……」


最初は朗らかにほほ笑んでいたというのに冷たい言葉に充てられ、男は無表情に変わった。

アオイの瞳が徐々に赤みを帯びていく。

瞳孔がぱっくり開き、そこから現れた一筋の線は男をぎろりとにらむ。


「まだ、お前は契約を…」

「殺すためなら手段は選ばねえ、もともと俺は用無しだしな?」


自分を嘲笑うように口元を釣り上げた。


そう過去を乗り越えるためにはこの男の死が絶対条件なのだ。

ここでやらなければ、俺はいつか過去に殺される。


だからここで殺さなきゃいけない。


殺さなくては………。



男は殺気を振り撒くその様子にもう手遅れだと悟った。そして彼の背後に目をやる。


アオイの周囲にまるで忠誠を誓ったしもべのように風が集まってきている。

街の炎と同じ程の大気の塊はさらなる力の源を集め、まだ序段階なのか膨れ上げていく。


男をただ殺すために。


その憎しみで実現させているこの大気は異常な殺気を感じさせながらもじっと力の増長を待っていた。


「復讐を誓い、心を売って、お前は…一体どうするつもりなんだ…」


悲しいそうな瞳でアオイを見つめる。


しかし、声はもう届いていないのか、アオイは腰から剣を抜くと刃を光らせ男に振りかかった。



キイィィィイン!!


大剣を構え、アオイの攻撃を受け止めると力で跳ね飛ばし、後ろへと後退する。




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あきゅろす。
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