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「……〜♪」


空気がチアキの音に触れ、光はじける。そして空へと湧き上がっていた。

世界が共鳴している。

体を揺すり、彼女の合わせるように。


―――そうか、
世界がチアキに合わせて歌を歌っているんだ。



不思議と光に触れるたび、チアキの気持ちをの手に取るように感じることができる。

甘酸っぱくて、さみしくて、でも嬉しそうに。
みんなには分かりにくいものだけれど、不器用な優しさが心に響くのだ。


綺麗な歌声?
そんなもんじゃない。

きっと、どんな偉人の音楽家だろうと誰も真似できない。誰も奏でることができない。

だれもが、心揺さぶられるに違いない。


メロディーがきれいだから?

違う。

それだけじゃない。

この歌は音楽の枠を超えているからだ。
聞けば、いつのまにか聴覚で感じ取っていたものが五感で感じることができる。

違う世界に引き込まれてしまったように、視界が突然変わってしまう。


この歌はまるで自分自身の隠れていたところを引き出していくような、母のように暖かなものであり、子供のように無邪気な音色であった。


「♪〜〜〜♪♪」


ジールとアオイは顔を合わせた。
一言も音を発さないが、アイコンタクトでお互い通じ合う。


二人はそれから再び足を動かし始めた。


チアキの歌声を心で聞きながら。


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あきゅろす。
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