6
「お…、重いからいいっ」
「おい、ジール。荷物もて」
「チアキちゃんなら喜んで!」
「この屑っ」
げしりとジールの頭に荷物を落とした。
重い物が敷き詰められているので、頭に落下したときものすごい音が聞こえた。
「わ…私、大丈夫だから!」
「あ、そう」
とはいいつつ、チアキを下さない。
「ジールさんにも迷惑かけて悪いよ!」
「知るか」
トクン、
あせり、チアキはアオイの腕から降りようと体を動かすが、腰にまわされた腕はそう簡単に彼女を逃がさなかった。
「私、全然平気なんだよ?」
「…いたいんだろ、傷」
ぼそり、小声でチアキに言うと、彼女は最初驚いた顔をしたが、しばらくして暴れることをやめた。
チアキはアオイの表情を窺ってみる。
[*前][次#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!