18 すっかり時間帯は夜だ。 窓の外に見える星が、闇を照らすように懸命に輝いているのがわかる。 今日はとっても疲れたので、早く寝ようとチアキは支度していた。 宿が用意してくれている寝巻を取り出し、着替えようとしたが、ちらりとアオイの方を見て、すぐに手を止めてしまった。 「チアキ?」 その不審さにふと、アオイは顔をあげる。 「どうした」 チアキはアオイがいるので、恥ずかしくて着替えることが出来ないという様子ではなかった。 むしろ、なにか後ろめたい事があるかの様に、どうしようと困っている顔だった。 もしやとおもってアオイはチアキに近づく。 「チアキ、」 そして彼女の腕を掴み、 「な、…に…?」 ぐっと自分に引き寄せた。 アオイに急接近し、驚いているチアキ。 「お前…」 アオイが訝しげな様子でチアキを見下ろす。どう反応とっていいのかわからずチアキはその視線を返した。 すると ――――ぐいっ 突然袖をまくられた。 「っーー!!」 思わず目を見張るチアキ。 アオイはやっぱりな、とすべて理解したようだった。 彼の顔にはもうさっきまでの穏やかな色を浮かべてはいない。おそるおそるチアキはアオイを見上げた。 [*前][次#] [戻る] |