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長い一日の出来事を終えて、宿に戻ると、ジールも一緒についてきた。


「きみと、寝たい!」


冗談のつもりで言ったらしいのだが、アオイの気に触ったらしく、ぽいっと部屋の外に放り投げられたのをチアキは見た。


「死ね」

「がーん…っ!?」


アオイはジールがあきらめて、自分の借りた部屋に戻ったのを確認すると、チアキが安心して眠れるまでつきそってやると言った。


すると、チアキは嬉しくそうに笑った。


まるで子供だ。
その顔はぴょんぴょんと飛んではしゃいで喜ぶ子供のように幼かった。


アオイはかなわないな、とため息交じりで頭をかく。


この少女が純粋に喜べるのは、自分をしらないだけだから。
知らないからこの少女はは笑ってられるんだ。


アオイはちくりと胸に引っかかりを感じた。

そして心の中でつぶやく。

本当の自分は違う。
もっと汚くて、醜くて。


自分でもわかっている。
どれ程自分がいてはいけない存在なのかを。
そう思って今まで生きていた。存在自体が罪を持つ、自分の運命を憎みながら。

それなのに、今ではちょっとした事で喜ぶチアキの姿を見るのも悪くない、という心のゆとりが生まれ始めているのがわかる。


アオイはそんな静かに自分を笑った。

変だ。
自分は今、とっても変だと、笑った。



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あきゅろす。
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