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そんな感動に浸かるなか。
「ちょっとちょっと、アオイくーん」
アオイが振り向くと、両手にヨーヨーのような武器をひゅんひゅんと振り回しながらジールが部屋に入ってきた。
武器には返り血が付いているのが見えた。
「なに自分だけいいとこどりしてるんだよ〜」
彼はとても不満そうだった。
それもそうだろう。
外で待っていた男の護衛を片っ端から片付けていたのは彼なのだから。
「ジール、いたのか」
「ひでぇえな、おい!」
危ないものを振り回しているはずなのに、いつも通り、ひょろっとした態度の彼だった。
そのせいで恐怖が伝わってこない。
「おいおいおい、アオイさんよ〜」
「あ?」
「…それ、何プレイっすか?」
両手を束縛され、すこし首元が露出しているチアキの格好にジールは不審な目でアオイを見た。
アオイも自分がどうみたって怪しい行為をしているようにしか見えない立場にいることに気が付く。
「…!」
ぱっとチアキから離れ、ジールにアオイは何発か殴った。
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