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「いつ、どこで捕まえた」
「ああ、そんなことがしりたいのか」
男は目を細めた。
「あれはたぶん、…2、3年前だなあ。森の中で一人さまよっていたんだ、変な服装でな。綺麗な生地物を着ていたから、どこかのお偉い所の娘だと思ったが…」
「変な服装?」
アオイはボロボロになったチアキの服装を思い出す。
確かに、何か違和感を感じたが…。
「あの小娘にちょっと声をかけてやったら、俺達に疑いもなくついてきたよ。くっくっく…あれはおもしろかったねぇ…っ!
そうだなぁ、それで売ってやろうかと考えて身元を調べてみたんだが、困った事に何一つ小娘の情報が出て来ねえ。だからその間遊んでやったんだァ。
ルールは簡単だ。わざと一度外に逃がし、森を泳がせる。そして少し間を開けて、俺達がスタートする。まんまと小娘を探し出して、再び捕まえたやった時は最高だった!!暗い地下に戻された時のあの顔はたまらなくよかったよっ!!くっはっははっっ」
アオイはだんっ、と壁を強くたたいた。
「てめぇっ…!!」
「…高貴なお方ともあろう人が、あの小娘にずいぶんと入れ込んでいるじゃないですか……?」
卑しく笑う男。
そしてもうひとつ思い出したように、男は話す。
「ああ、知らないと思うが、この街には俺よりももっとヤバい奴等が身を潜めているんだ。今貴様がここにいるのならば、恐らく小娘は一人で待っているんだろう?…もし奴に見付かったらあの小娘は今度こそ、危ない目にあうんだろうなァ??くっはっはは!こいつは傑作だァ!くっはっはははははっは!!」
にやにやと勝ち誇ったように笑う男は甲高く笑いの勢いを高めた。
アオイは手のひらに爪が食い込む程拳を握り、そして悟る。
これ以上話しても無駄だ、と。
激しい怒りを一時的に抑え込み、深呼吸で体の力を抜く。
数歩壁から後ろに離れた。
そして。
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