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「はいはーい、お待ちどお!」

二人の間を割って表れた店員が袋をアオイに渡した。


「あ、おっさん。これも一個もらったからつけてくれ」

「はいよ!」


アオイは懐から金貨を数枚出すと、物を受け取った。


「さて、時間もまだあるからどうしようかな…」


チアキにむくと、彼女は拗ねたのかぷいっと顔をほかに向けた。


「悪かったって。」


表情からしてアオイが全然反省する気がないのは丸わかりだった。


「お前、もう餓鬼じゃねんだからそうすねんなよ?」

「……」


それでもチアキは振り向かない。


「おい、チアキ」


一瞬顔を覗き込むことができたが、またすぐにそらされてしまった。

しかし、一瞬見ることが出来たチアキの膨れっ面という反応が以上に可愛らしくて、餓鬼っぽくて、アオイは自分の笑いを堪えきれなかった。


「ぷっ」



普通に立っていれば、外見は綺麗な顔立ちでそれなりに大人っぽくも見えるのだが、動作を加えるとなんら幼い子供と変わらない面が見れるので、それがとても新鮮で面白いと思った。


そしてチアキをもっといじめてしまいたい気持ちが溢れてくる。


決して意味は違うが、何となくあの小汚ない商人がチアキを重宝していた理由がわかった気がした。


勿論、アオイの場合は酷い扱いをしてやろう等とは思わないが。




「…そういや、………ぶち込んだ野郎に問いただす手があったな」


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あきゅろす。
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