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しかしどの条件も飲まず、私はまた脱出のチャンスを狙った。



(私は外の世界に…行く…!)



焦る思いと極度な緊張、そして見つかってしまうのではないかという恐怖が入り交じるなか、男が上で酒に飲みくれダウンしているときを狙って飛び出した。


男は扉の鍵をちゃんと締め切っていないまま酒飲みを始めたので、脱出する隙を私に与えてくれたのが本当に幸運に思えた。

外に出るとあの森の中だった。

月が現れ、森の中は変に静まり帰っていた。




息を飲みながらも取り敢えず裸足で行き当たりばったりに足を進めていく。


ここまで閑静な空気だと気持ちが本当に落ち着かなかった。


ガサッ


自分の後方で音が聞こえた。




(まさかもう気付かれ……っ)



勢いよく振り返ると、私が思っていた男の姿ではなく、また別の男がいやらしい口許を吊り上げ私を見ていた。


「きたねぇ餓鬼だな…?ま、それでも無いよりはましだな」


すぐに悟った。
この男は危険だと。



ガクガクと足が震え出す。



獣が獲物を睨む様に彼は私を細く糸のような目で舐め回すように見下した。



危険信号が出ている。




逃げ出さなきゃ。

早くここから逃げ出さなきゃ!


やっとの思いで動かした足でも逃げ切る事は出来ず、腕を捕まれると地面に叩きつけられ、まず最初に紐で両腕の自由を奪われた。


息を荒げながら下品な笑みを浮かべ、男は私の服をめくりあげる。

素肌が夜風にさらけ出されて震えたが、噛み付かれた時には痛みで涙がとまらなかった。


(痛い………!痛いよっ!)


しかし声が出なかった。

ここで出したら逃げてきた男に見付かると思って、出せなかった。



男はとうとう身ぐるみを剥ぎ、最終段階まで上り詰める。





(やめて、お願いやめて……!)

(私嫌だよ、嫌、嫌だよっ!)



幼さゆえに男の行為に理解がまだ出来なかった。



しかし極度な疲労と、気持ち悪さと、自己嫌悪と、絶望と、まだ続く恐怖に私の体は持つ筈がなかった。



私の中の何か大切なものが音を立て割れそうになったその時。





「お、そこにいたかボルフス!!」

「―――っち、これからがいいとこなのによぉ……」



私を取り押さえ身体を弄んだ男はつまらなそうに舌打ちをすると、素直に私から身を引いた。


「おいおい…商品に手を出すなよ、値が下がるだろうが」

「うっせーよ、ちょっとぐらいいいだろ?」


「ばーか。それなら大金積んで買い取れってーの。ま、取り敢えず今日の所はボルフスが狩りの勝者でしたということでゲームは終わりなぁ〜。


「うーし、んじゃあ掛け金で負けたやつ払えよ〜?」


「うわ、馬路かよ〜」



か…


…り…?



私は知りたくなかったが、会話を全て聞いてしまった。


これは男達の賭のためのゲーム。
そして私が獲物というなの駒に過ぎなかったと。




地下牢に戻されたときは悔しさと惨めさに胸が張り裂けそうになった。



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あきゅろす。
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