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「………」


白い肌に赤く腫れあがっていたり、また、七色のあざが至る所で見えた。

そういやあいつは痛みを俺に訴えた事が無かったな、と思いだした。

結構他人事だったから、いざ客観視するとただのひ弱な少女にすぎないのだと今更思い知らされる。

本当に今更だ。


「っは…バカらしい」


何故だか狼狽え始めた俺を必死に繋ぐべく自分にそんな言葉を吐く。


「本当に馬鹿、じゃねえ…の…」


何故だろう。
今だかつてないほどに動揺している。



(なんで助けない…)



何でもすると言ったのはチビ女の方だ。

だからこれは…これは当然の報いなんだよ…!



(お前は何故助けない!)


―――うるせえっ…!


急に自分の思考の中に別の誰かが口出しして、俺の思考を更に狂わせていく。

俺は当然の報いをしただけだというのに、もう一人の声はおれに非難の罵声をあげている。


(何故助けない…!)

(何故助けてやらない!)

(何故、助けてやらないんだ!)


俺はそいつを黙らせるのに必死だった。



うるさい。


うるさいうるさいうるさいっ


てめぇは、俺のやることに指図するんじゃねえよ!!!


今まで深く眠っていた人格が突然目覚め、脳は容量が足りずオーバーヒートを起こしているようだった。

頭が割れそうに痛かった。
五月蝿かった。


言葉に飲まれそうだった。


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