花園・風紀委員!
懇願
――sideセン
4年半。
レンが笑わなくなって――泣かなくなって、それだけ経つ。
昔はよく笑う、明るい子だった。
なのに今は、表情も乏しくなった。
目元を見てやっとわかるくらい。知り合い程度なら、無表情にも見えるだろう。
決して、そんなことはないけれど。
今は、仲間意識の強い優しい子。――異常なほどに。
昔から優しい子だった。けどあの日、全てが変わった。
ボクには――僕達には癒せない、深い傷。
なのに、喧嘩の事になると違ってくる。
族潰しなんて始めたのも、あの日の後。
正直、ボクは喧嘩も族潰しもしてほしくない。
だって、喧嘩をする度に、チームを潰していく度に、レンは壊れていく感じがするんだ。
元々優しい、明るい子。だからこそ、壊れていく。
それを止められないボク達は、いつもやる瀬なくて、もどかしくて。
それらを止めてしまえば、きっとレンは狂ってしまう。
壊れてしまうのが怖くて、止めさせたい。
狂ってしまうのが苦しくて、止めさせられない。
どうしようもない二律背反に、ボク達は歯痒さを禁じ得ない。
どうか。
どうかいつか。
ボク達じゃない誰かでもいい。
レンを癒して、笑顔にできる人が、現れますように――――。
――sideセンend
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