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花園・風紀委員!
名前


「…何か用か?」


 拳2つ分ぐらい開けて、気だるげな声を出す。


「…あんた、特待生だよな」

「そうだけど」

「俺、沼屋。沼屋壱。壱って呼んでくれ。同室者どうし、仲良く「セフレのゴタゴタに巻き込まれんのゴメンだから断る」


 すると沼屋は、呆気にとられた顔をした。


「用はそれだけか?じゃあな」


 オレはそう言って、扉を閉めようとした。が。


「待ってくれひ…更科!」


 今コイツ名前呼ぼうとしなかったか?
 てゆーか、オレの名字ちゃんと読めるやつ、S組以外にもいたんだな。

 ちなみにS組の連中も担任も、最初はまったく読めなかった。


「俺、お前と仲良くなりたいんだよ。頼む!!」


 …めんどくせぇ…。でも、ここで断っても余計に鬱陶しくなるだけか。


「部屋の中でなら仲良くしてやる。それ以外では始業式終わるまで待ってろ」

「…始業式?」

「そう、始業式。じゃ、オレはこ「もうひとつ」


 今度はオレが遮られた。


「…なんだよ」

「名前で、呼んでいいか?」


 …親衛隊もめんどくさそうだな。


「ハァ…しょうがない。わかったよ」


 すると、沼屋は笑った。

 …さすが、親衛隊持ち。笑顔が輝いて見える。


「俺のことも、名前で呼んでくれ。じゃあな!!」


 嬉しそうにそう言って、沼屋は自室に引っ込んでいった。

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