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拉致された後監禁


学園に戻った俺は新野先生に足の傷を見せたあと木の下の岩にいた。いたっていうより拉致られて?



「名字!今日は絶好の運動日和だな!」

「そうですね。俺は出来ませんけど。」

「そうだな!怪我してるもんな!」



俺は今まで観察して得た情報でこの人の1番大人しくなる受け答えでずっと答えていた。
この人はいったいいつまで俺をここに居させるのだろう。いつもなら普通に去る。普通の時なら。
しかし今回受けた傷は太股で杖がないと歩けないのだ。
その杖を取り上げられては動くに動けない。



「にしてもお前がこうやって捕まえられる日が来るとは思わなかったぞ」

「そうですか。それはよかったですね。」

「あぁ本当に!」



元々話術が得意でないのに加えてこの人は嫌みというものを知らないから余計に厄介だ。



「先輩」

「なんだ名字」

「怪我が辛いので帰りたいんですけど」

「そんなくらいの傷気合いで治る!」

「そんな訳ない…」

「細かいことは気にするなー!」



この人まじうっとうしい
俺は仕方ないので傍観に入ることにした。
横で何か言っているが俺は適当に相槌を打ち早く杖を返してもらえないかだけを考えた。



「(あの鳥この間見た奴だ。)」

「でな!…聞いているか名前!」

「(どこでだ?)…はい」

「そうか!」

「(そうかこの間の実習で一つ上の生物委員が使っていた奴…)」



俺はそこまで理解すると暖かさに誘われ目を閉じた。
俺だって隙を見せることはあるさ

だって俺が完璧に近づくほど俺の事を認知できる奴が居なくなるから
それに俺が1番ひとりの寂しさを知っているから

俺だってたまには気配も姿も現したい。



だが目が覚めるとまったく違うところにいた。
そして狐の仮面を被った奴が現れた。
これは見たことがある。真剣な話をするときのあの先輩の仮面だ。



「お前が名字名前か?」



俺が思慮を回転させると先に狐が話しかけてきた。
どうせ敵ではないのだし別に気にせず返事をすることにした。



「はい。あってます。」



あってますけど俺はなぜここに?
俺がそう問うと先輩は仮面を取った。いつもの顔じゃない顔のままで。
そして先輩は言った。



お前を助けるため、だと



(この人に)(俺の)(何が)(分かるというのか)


あきゅろす。
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