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短篇
リターン魔-4
奴隷となってから十日程の時間が経過したもの、と思う。少なくとも狼人型の体感的にはそう感じるが、窓も何も用意されてない牢の中では時間の感覚も狂っているものである。まるで普通の狼人の様に。
手枷が外された代わりに身体に与えられた開発の具合と言うのは既に取り返しの付かない程重たくなっているのが目に見える様。黒ずんだ毛皮の中に膨れ上がり充血した乳首の粒が際立って見える様になった。

薬剤と呪術式によって開発を受けた股間は片方の玉袋だけでも拳二つ分程の重たさを大きさを備えており、ただ歩くだけでもその重量感が感じられる程に達していた。
本来ならば肉鞘にすっぽり隠れている筈の股間からは完全に屹立した竿がだらりと萎えていながら立派に太く肥大化させられた様相を示している。
その分表面の粘膜は分厚さを増して赤黒く染まり、やろうと思えば狼人型自身の口で先端をしゃぶり付ける程に長さも太さも増していた。先端にはリングを通された痕も穿たれたまま、開かれた尿道から雄の匂いが漂って来る。

「………………」

その気になればこんな場所いつでも出られると思っていたし、呪術の類ならば遠慮なく引き千切る事も出来た、少なくとも前までの、魔界で魔人として多いに振舞っていた狼人型であるならば間違いなくそうだった。
勿論、今だってそうなのだろうと思っていたが、どうやら。これもまた胸元に刻み付けられた奴隷印の効能によるものなのか、毎日毎日犯し抜かれて体力が衰えてしまっているのかは分からない。重要な点は唯一つ。

「……やってしまったなぁ……」

何気なく呟ける程には意識はまだまだ元気で、精神もここまでされて落ち着いている。それでも股間は粘膜を太らせられたのに僅かに擦れるだけでも確かな快感が走り、玉の重たさに引っ張られるだけで興奮している狼人型がいる。
鉄格子を曲げられない。床を爪だけで掘れないし、口から出て来る例の粘液によって壁を溶かそうかと思ったらそもそも粘液も出せなくなってしまっている。身体ばかりがゾクゾクして、興奮を待ち構えているのが分かる。快楽に溺れたがりな中身がある。
快感にこなれてしまったのかは分からないが、そこまで狼人型の力は失われてしまった訳である。ちょっと前ならば、あの時違和感を味わった辺りで肉塊になろうとも逃げ出して魔界に戻っていれば。

その日、初めて狼人型は、ちょうど奴隷の様に何一つとして逃げられやしない事に関する絶望と僅かにでも希望を残した方が良いのかと困惑の混ざった焦燥を噛み締める事になった。
合わせてただ寝そべっているだけでも、僅かに擦れる竿と薄汚い床に貼り付き、僅かに寝返りを打って擦れるだけでも淡い興奮が走り抜ける身体に毛並みを逆立たせて時々小さく呻いた。
明日になれば誰かが助けてくれるかもしれないが、それ以上に明日には、明後日には自分がどうなってしまうのか。恐怖と入り混じった興奮と待ち望んでいる好奇心が湧き出ているのが、確かに感じ取れた。
狼人型自身の純粋な感情が。そう思っていく内にまた拡げられた尿道からいやに粘ついた濃厚な先走りが垂れ流され、床にのたうつ粘液の痕を残していた。

「見ろよあの終わった格好……奴隷の中でもああなっちゃもう終わりなんだろうなあ……」
「…………」
「無駄にでけえチンポと玉も……本当にろくでもねえな……俺達魔王軍に逆らうからそうなっちまうんだ……」

翌日には騎兵が取り持っている馬や騎乗する四足の獣、魔物の規格外の竿で散々に嬲られる事になった。食事はその場所に相応しい様に魔物用の餌を貪らなければならなかった。
その翌日には実験の一環と題しながら、狼人型の竿と玉を開発したあの狸人に再び身体を探られ、手酷く痛め付けられた。雷属性の魔法の応用に、乳首と竿、体内にまで流れる電流に痙攣しながら射精をするしか無かった。
そのまた翌日、数日。騎兵とは異なる兵士だかに預けられて、徹底的な輪姦を受ける事になる。当然隊長から新兵まで奴隷印の力は行使可能となっており、その中で最下層の肉壺としての扱いを受け入れる事になる。
どれだけ使用された痕さえも残らない。残す必要が無い。この場において最底辺に位置する狼人型に、わざわざ使った証など必要ないというのが判断であったから。

口の中に捻じ込まれ吐き出された精液が尻孔から噴出しそうになるまで犯された。尻孔から注ぎ込まれた分の精液が口から溢れたのではあと思える程に掻き乱された。
肉竿だけではなく鞘に収まったままの剣が、握り拳を保ったままの腕が肘近くまで、時にはトイレの中で精液と水まで尻孔にたんまり注がれ、膨らんだ腹を踏みつけられる苦痛だけでも狼人型は絶頂を味わえてしまった。
同じく元流れの傭兵であった数人の奴隷と横並びにされて。魔王軍の元に下った街中に引き回されて、戯れと性欲のはけ口として犯され抜いた。

「…………」

それでも既に身体が開発され尽くされた狼人型の表情は、囁かれる言葉に羞恥心を噛み締める苦い顔を浮かべる程には、平常時にまだ壊されてはいない。故に連れ込まれるのである。
この軍隊を率い、自分自身の事を呼び覚まされた存在と豪語して、悪辣な力を誇る魔王本人の下に。

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あきゅろす。
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