短篇
サン10イッチ-10
絶対に狂ってしまう。既に狂っていた、のかもしれない。どうして今までの間、布団が獣の頭を備えた獣人になったのか、全裸の雄達を受け入れていたのか。
以前とまるで変わりなく温かくがっしりとして、挟み込まれている間には柔らかな安心感が得られていたのだ。それがこんな事になるとは、何より人間の方が飲み込めて、受け入れているのが。
吐息も定まらないままで、自分の身体の中に撃ち込まれ続けていた熱気がぼこぼこ、びきびき、と更に高まってしまっているのが鮮明に感じる。一時は完全に口の中を喉まで塞いだ程の射精が。
今度は口の中からこぼれだす事は無いだろう、あまりに濃厚過ぎるまま二本の竿が同時に、人間の身体の奥で弾けようとしているのが分かって、止められなくて。
ばちゅん、と音を立てて再び根元まで突き入れられた事によって更に下腹部は歪に歪む事となった。咄嗟に身を震わせて人間の竿から先んじて何かが溢れそうになって、しかし散々に絶頂させられた身体は竿をただ脈打たせるだけで、
「ぐっう、おぉぉぉぉっ！！」
「おら出すぞ…っぐ、くぅぅぅぅっっ！？」
声を出そうにも止まらない。奥底から一気に音を立てて、鈍い音を立ててぶっくりと膨らんだ竿の内側から人間の腸内を、どぼどぼ注ぎ込まれる精液の重たさと熱気が溢れて止まらない。
喉とは違ってどこまでも蝶尚を逆流して種付け、精液漬けにしていくかの様な勢いで更に下腹部は膨れ上がっていき、際限なく中を蹂躙する重たい熱気に音もなく絶頂に達し続けてしまって。
「っほ…ふぅぅ…ぅ……ぁ……あー、っ…お腹……りゃ…ふぁぁぁぁぁぁっ……！？」
特に引き締まっている訳ではなかったが過剰にぽっちゃりした肉が付いている訳でもない、ありふれた腹部は精液によって立派な丸みを帯びるまで精液が注ぎ入れられた。
ライオンの肉棘が逆立つ程に大きく立ち上がり、龍の竿もまたびくびくと激しい脈動の度に腸内を深く鋭く抉り、数分間に及ぶ種はどこまでも人間の中へと刻まれて。
やっと一息つき、湯気まで香り立ち凝縮された雄の匂いがここにまで漂ってくる程の熱気を孕んだ肉棒がずろろろ、と音を立てて中へと引き抜かれ、あまりに濃厚過ぎる精液はそれでもまだ人間の中へと留まっているが。
完全に引き抜かれるより先に、再び弾ける腰使いに、ぐちゅっ、と卑猥な音を盛大に響き渡らせた。思わず人間の身体が仰け反りながら、未だに空撃ちを繰り返す竿。
「まだ…終わりませんよ。言ったではないですか、貴方が達したのと同じだけ、私達も達するのだと……」
「っあひ…ひぁぁ……や、りゃ…こわれ…壊れちゃう、ぅぅ……」
「安心しろよ……ちゃんと、たっぷりと、残さず中に出してやるからなぁ……っと……」
「ひゃ、ひあぁぁぁぁぁっ！?」
決して布団達は人間を離さずに抱き締めて密着したまま、精液で孕み腹になった身体をまた奥底より揺さぶる様に律動を再開する。どれだけ人間が泣き叫ぼうとも。
敏感になっている身体に露程も萎えていない二本の竿で立派に拡がった腸内を掻き乱し自分達が放った精液をぶち撒けてしまいながら、やがて変わらない量の精液が再び注ぎ入れられる。
その間に人間は三回絶頂した。やっと透明な潮が再び竿から放たれて、ライオンの毛並みをじっとりと濡らす。精液の上から。
「このままだとずっと続いて終わらなさそうなんですけどねえ…」
「それでも別に良いぜ？ずっと気持ちよさそうにしてるんだもんな……っ」
「っぶ、んぶぅぅぅぅっ！？」
十六回目の精液に、逆流した精液が口の中から飛び出した頃、意識を失ってもどっぷりと侵し抜かれ続け、髪まで真っ白に汚れる程の交わりの果てに、解放された時には既に人間の意識は飛びきっていて。
気絶する寸前まで刻み込まれ続けた快感と尻孔を使われる悦びだけがじわじわと目一杯に拡がり、白濁に沈み込みながら意識を深々と落としていった。
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