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暴露後のフレンドリー
「どこから聞いてました?」
「お前の顎にロッシュの回し蹴りが綺麗に決まった時からだが?」

要するに全部聞かれていたという事か。素直にこの後どうしようか、

「サイ、早く続きを。」

ロッシュが薄ら笑いを浮かべて催促する。
こうなったらとことん話してあげるとしよう。後の後悔など知ったことか。


「───で、気が付いたら部屋のベッドに寝かされていたわけです。」
「…………」
「そりゃ難儀だったというか、フーガは手が早いんだよな……」
少し話を生々しくし過ぎたかもしれない。終わったことだけど。
ヤクトさんはにやけながらだが最後まで自分の話を聞いてくれていた。

ロッシュは何でか話の途中で後ろを向いてしまい、前屈みになった。
おさまるまでもう暫く時間があると思うから、放っておこう。

「で、薬があったにしろ、良かったってのは本当か?」
「はい。とても気持ち……良かったん…です…けど…」
ああ、急に恥ずかしさが浮かんできてしまった。
あの時の気持ち良さを思い出し、反応しそうな自身を何とか堪える。
「じゃあ素質あるかもな。何にせよフーガはまた誘ってくると思うな。『慣れたら薬抜きでもイケるよ♪』ってな……」
「素質……?」

「元々感度が良いとか、締め付けが上手いとか……」
「あ、解りました。」
…自分には頭以外なにも無いと思っていたのに、そんな要らない素質があるかもしれないなんて、
数周回って愉快さが込み上げてくる。

「背も丁度こんぐらいが可愛いしなー」

ぼむぼむと軽く頭を叩かれる。筋肉質な身体の割に柔らかい肉球の感触が。
背丈の問題は単に自分が小さく、自分の頭がだいたいヤクトさんの胸元の高さぐらいで、

仮に抱き締められたとしたら胸に自分の顔が埋まることになって…
「身長はもう少し欲しいんですけどね。」
「お前、髪サラサラだな。」
全く聞いていない、寧ろ髪を弄られていると心地良さから目を細めてしまう。

前のあの時の虎とは大違いだ。

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あきゅろす。
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