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練習後のトーキング
「…相変わらず安定感がある。あと命中したときの顔がとても嬉しそう。」
「……スッキリした。」

まじないのかかっているらしい人形はいやにリアルな動きで、
脚に当たったら当たった側を引き摺りながら動き、
頭に当てるとばったり倒れて動かなくなり、
かすった場合は身を縮め、此方を警戒しているかのように早足で動いた。
先に脚から狙うことを心掛けて命中率は高かった。
あの時も確か自分は脚から狙った筈。『相手が丸腰、若しくは銃を持ってないなら脚を狙え。』
ありがたい眼前の師匠のお言葉は、すっかり自分に染み付いているようだ。

「……一応聞くけど、気持ち良かった?」
「………」
単純な興味でなのか、先輩としての確認なのか……もしかしたら所長と?
媚薬の効果も含めなかったとしても確かな『快感』で、気持ち良くなかったと言えば嘘になる。
だが言いたくはない。

「…ロッシュはどうだった?」
「んー?えーっとね…」
良い返答が出るか考えているように頭を抱え、
次第に視線が下を向くようになり

「…サイ、実戦練習って前にやったっけ?」
「…まずは質問に答えてくれないかい?」
「レッスン1、『二挺拳銃持ちの相手とどう戦うか』」
「……僕が勝ったら答えてくれる?」
「……ファイッ!」




「頭があんまり深い事を考えられなくなって、それで下半身だけはやけに熱くて……」
「うん…サイ、この調子できっちり話す気なのかい?」
「寸止めなら少し考えたけど、顎をきれいに撃ち抜かれちゃったからね…」
お陰でいまだに視界が揺れている。
何故か脳味噌がぐらぐらと震えてついうっかり言ってはいけない事まで言ってしまいそうだ、ああ困った。

「それでもってフーガさんがいつもより少し呼吸を荒げていたかと思うと、
股間から何か出ていて、使い込まれたような濃い肉色をした……」
「…………」
「……あ…」
「……よお、元気そうだな。」

いつの間にやら自分の後ろに橙色の虎人が立っている。
見知っている人だからばつが悪い。話を聞いていたのか嬉しそうににやけているのが。
…引かれていたほうがましかもしれない。

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あきゅろす。
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