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軽食、落下爆散、迎撃
『にゃ、にゃー…出て来ないともう突入するにゃ!これは一応最後の警告にしておくにゃーっ!さぁ、とっとと降伏するにゃ!」
「…あぁ言って居るが、如何する。少なくとも普通に食べる時じゃないな……」
「でも折角作ったのだから勿体無い…しかし、雇った暗殺者が一人とは思い難い…」

ハノン達が作ってくれたのはオムライスだった。一切の焦げが無い黄金色の卵でチキンライスを見事に包んで、食べると確りと味わいが広がって。極めて長閑な空気だ。喫茶店の外を除けばだが。
気が付くと自分の隣にセンヤが戻って来て普通にオムライスにかぶり付いている。何処か彼処の皆に似ている雰囲気なのは気のせいじゃない。嬉しそうに背面の尻尾を揺らして居るのがまた空気を緩ませる。

「…屋根の上に普通にながい銃を構えてる覆面被った相手が居たから、懲らしめてやった…それより変な影が遠くからこっちに飛んで来てるのが見えたけど…」
「…………」
「…………」

確かあの国は確りと軍隊が存在して居たと話に聞いた事が有る。国の王は普遍的と言うのもおかしいが武力で押し通すだとか本に書いてあった様な。捕集器の用意。
大きな窓からは喫茶店から少し距離を離してどれだけ囲まれて居るか見えはしないが空は見える。確かに影が段々と此方に向かって近付いて居るのが確認出来た。
人一人を完全に消滅させる為に爆撃用の戦闘機まで駆り出す。あちら側に良心が残っているのなら周りの被害は抑えたとして今ストリータ・ヘキサルが外に出たら憲兵達にも被害が及んでしまうだろう。

『……もうカウントして突入しちゃうにゃーっ!じゅー!きゅー!はちー!にゃにゃー!』
「ああ言ってますが、いよいよ如何しようか」
「元々呼び込んだのは俺だ、決着も俺が」
「センヤ、天井に潜れるのなら上を見て何が来るかを確認…撃ち落すのが良い」
「いーよー」

第一に憲兵の突入を防がなければならない。次に爆撃に対応しなければならない。その後で相手方を倒す。淡々と自体は進められて用意完了、ハノンは詠唱を始めてストリータ・ヘキサルはポケットの中を探し、センヤが壁に潜り平然と登って行く。
今、自分が必要なのは捕集器では無く草食銃。後部に存在する撃鉄に値する部分を自ら引いて充填完了。窓の外を氷が覆い始めて防御の準備も万全、速さから察するにそろそろだろうか。

『にゃっ!?そんな抵抗したって、もう無駄だにゃ…カウントはゼロぉ!』
「…何か落として来たよ?」
「……喫茶店には悪いな」

仕方無い事だ。出入り口も氷壁で塞がれて居るのだからどの道こうしないとストリータ・ヘキサルは出られない。天井を見上げて銃を構える。タイミングは自分次第。
二拍半程待ってから、上に向かって引き金を引いた。豪快な音と共に、喫茶店の天井は穴が穿たれ空が見えた。眩しい。

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あきゅろす。
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