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来客万来「完全抹消」
紛れも無くラーツと同じく、私服を身に纏っている憲兵。ラーツとは初対面に見えるがその勢いは止まりそうも無い。レンカさんが軽快に。その脇には憲兵でも便利屋でも無く犯罪者が。自分が捕まえた犯罪者で今では友達と言える間柄か、シューゴ=クラミ。但し私服。

「帰りは私達がラーツ君を…負荷実験がてら送り届けるわ!」
「……シューゴ君は知ってるけどさ、この人誰?」
「聞いた話によるとヴィアナ=キラプタさんが上に居るらしいです」
「あ、僕達こう言う者デス!」

シューゴの手元から雑に数十枚程の名刺が弾き飛ばされた。トランプを扱う様に。たまたま飛んで来た一枚を掴むと「技術部部長 レンカ=<ギミック大好き>=アマギリと愉快な仲間(達)」。あまり本気に捉える物では無さそうだ。

「…で、何で俺の居場所が割れてんの?ストーカー?」
「ふっふーん、武道大会のどさくさに紛れてサイ君の舌の裏に発信機を」
「…………」
「仕込んで無いけど、その辺はなあなあで割り切って貰える?何にも仕込んで無いから、天地神明に誓って」

レンカさんは嘘を言えない性格だと、解って貰えただろうか。少なくともさっきのアケミチさんは本気で怒って居た気がする。
このまま構ってばかりでも話は進まない。ラーツは目に力を入れて人形の機械を見た。早くやれ、と。

『…分かった、クロボク側に急いで伝えるからのぉ…お主も友達なら帰りを見送るのが友情ではないのか?』
「見送らなくても俺は気にしないよ?」
「あら何かしらそれ?盗聴器と小型投影器じゃないの!これ、何時頃から使われてるか調べても良い?ストーカーかも…」
『なっ………』

観念した方が、良かったのだろう。





「君の懲役って年単位じゃなかったっけ」
「ふふーん、模範囚で毎日過ごし!果てにはあの武道大会の会場設営で莫大な貢献をした結果が今の身分に押し上げたのさっ!ちゃはっ!」

レンカさんはあの機器を調べ、アケミチさんはラーツの立会人として。今ラーツ本人は力を計られている筈。待たされた自分達は暇潰しの意も兼ねて話し合っていて。
シューゴは今や釈放され、レンカさんの直属の元強化装甲服のテスターだか試験運用を任されているとの事。早い話が憲兵である。
ついでに彼氏が出来てその彼氏がダンディだとか延々と惚気話を聞かされた。もし自分では無くラーツだったらビンタの一発程度は食らっていた程に甘く、しつこい話を。

「まぁ、今は毎日が充実してると我ながら思うヨ」
「僕だって充実はしてる。昨日までは病院で寝てたし、今日は浚われて酸素が少ない中過ごして爆発させて立ち会って喉奥まで手を突っ込まれた。そして今は」
「参りましたぁっ!」

実に見事な土下座であった。

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