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探知発見「問題解決」
ラーツが使ったのは簡単な探知魔法。自分の髪の毛はそのアンテナとして。電気を使う機器から放たれる電波を感知。感知する周波数の範囲を決めれば盗聴まで知る事が出来るが、今なら全電波を無差別に感知でも良い。
髪の毛は真っ直ぐと人形に向かって指し示されている、要するに術ではなく電波でアケミチさんの親だか親の親は自分達を見聞きしていた訳である。アケミチさんは自制する事はなく、そのまま人形はラーツの手元へと。
問答無用で下の方に空いていた穴から手を突っ込んだ。更にはより奥までねじ込み掻き回す。これで間違っていたら粗相について咎められるどころかこの家を追い出されても文句は言えない。

『こりゃぁ!何をしとるんじゃ、そんな所弄られるのは老体には…ぬっほぉ!』
「……それで、わざわざ三文芝居までしてこんなしょうもないものを隠したかったの?古きに捉われないって言う発想だけは認めてやるけどね……」
「……この件についてはどうしましょうかね…」

結果は見事に大当たり。音を拾う機械と映像を映す小型の機械とがラーツの手の中に握られていた。事実上完全な黒である。

『…ははは!残念じゃったなぁアケミチ!お主の腕を確かめるために急いで用意しとったのに、まさか客人に先に見破られるとはのぅっ!』
「成る程、それでこんな事を仕掛けたんですね、因みに何時から使ってたんですか」
『ははは…はっ!試運転無しの一発勝負じゃ!』
「…で、サイ君的にはこれどう思う?」
「見る限りは一昔前のモデルですね、中の配線と同じ物があれば大体どのくらい使ってたか解りますが…この近くに電気屋は?」
「丁度ここに来る時チョウチン…紙製の枠で電球囲った様なの飾った店有ったろ?それが」
『やめじゃ!やめじゃあぁぁぁぁっ!』

あまりの叫びに、機械越しの声音が割れて聞こえた。ラーツもアケミチさんも呆れ果てた表情だ。シラを切るのを止めて観念して欲しいのか。

『そもそもお主ら日帰りの予定じゃろう!摩耗の具合を調べるには同型の配線を手に入れたとてその配線に何時間か負荷を加えなければ確認出来まい!そんな時間の余裕がお主達には有るのかのっ?』
「おーっと、時間の関係については問題無いわよ!」
「ないってばよ!」

さっき使ったのが初めてな割に随分と詳しい。そして、突然何故こんな所に二人が来たのだろうか。しかもラーツが此処に居たのが分かっていたとも取れる言葉。
肝心の本人は、微妙な反応だったが。

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