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飛来に往来に友人の猛攻
照明弾を町中で射出するとは滅多に無い事であり、事態の重大さを示してしまっている。それにつけても青空に咲き誇る大輪の花は中々風流、或いは粋だなと思いながらマフラーを起動。
自分とジンクさんとあと誰を連れていこうか。ヴィアナさんは嬉しそうだから連れていかない方が良いだろう。ボナさんは何かと宜しくない。ハノンは異性である。しかし誰か憲兵が居なければ話が通らない、
ラーツが本部内に居ると以前手紙があった。異動等無ければまだ居る筈だ。やはり止めた。まだまだ若いし、上に対しては押し通るだろう。将来に関して弊害をもたらしてしまったら困る、

「ハノン、端を持って、ジンクさんも」
「…………」
「え、おぉ……っ……!」

握った途端に飛行開始。全員に力は発生しているから自分の首が締まったりはしていない。
空から見てみると皆が集まっているのが解った。自分達に集まる視線。申し訳無いが付き合う暇は無い。方角良し、全力で飛行開始。

「うわぁぁぁぁぁ!うわぁぁぁぁあ!」

ジンクさんの声が五月蝿いが気にせず、捕集器で全体を見回す。自分達を指差す人。楽しそうにしている子供。バレたくなかったが仕方無い。
そして銃口を向ける何かと空気の違う相手達。もしかしなくても狙われているのは自分達か。鳥人、竜人用に高圧電流を放たれたら三人纏めて捕まってしまうだろう。
そして、明らかに帯電している様子の電極が自分等に向けられているのは、やはりそうなのだろうか。

「……純水は電気を通さない」

飛んでいる自分達の回りを薄い水の膜が覆う。視界は一切遮られる事はなく、銃弾が当たろうが何故か膜を貫いては下に落ちていった。
ハノンに感謝しながら、ジンクさんの声にそろそろ何か言おうか考えながら向かうは、ハノンが髪を引っ張ってきた。

「前方に私の顔見知り」
「それで」
「上昇」
「了解」

ぬあぁぁぁぁぁぁ、とジンクさんの叫びのオクターブと共に高度が上昇していく、同時に黒い毛並みの誰かと灰色の誰かが作り上げた火球が自分達に放たれた。
恐らくはハノンの友達他が出したのだろうが、大き過ぎる様な、ハノンの指示が無ければ避けられなかった様な、
火の玉が爆発した。自分達の目の前で、要するに炎が自分達を抱擁する様じゅうじゅうと水が蒸発する音が聞こえ、更に視界が完全に塞がれた。

「方向はこのまま真っ直ぐで構わないけど」
「完全に炎が消えるには残り38秒ぐらい」
「何かにぶつからなければ良いね」
「二人の魔力の複合、このまま押し切られては不利」
「分かった」

飛行以外のマフラーの仕掛けを、使える日が来るとは思えなかった。向こう側からも見えていないだろうし良いだろう。
マフラーの動力源、人工製の月は何を目的として造られたか。正解は侵略兵器として。要は強力な魔力兵器だ。

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