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私刑と波形に大混乱
「安心するにゃ、憲兵が絡んでるから流石に血祭りやら首吊りやらギロチンやらは無いのにゃ」
「へぇ…で、でも指切り落とされたりとかは……」
「その辺の取り決めは決まってるのにゃ。まずは大臣から直々に殴られた後数年間強姦罪で収監所生活にゃ。その後銀行の会長から賠償金を請求されるにゃ。
そして便利屋で一年無償で働かされ、ギャング全員の便器になってから新聞社の娘と責任取って結婚するにゃ、おめでとう」

未来で結婚が決まってるのは、中々嬉しいものだと聞いた事がある。エンフィさんが昔の友達が四つ子が出来ただとか書いてある手紙を見ながら呟いていた。
此所だとそういった言葉自体が一切縁が無い。そもそも所長が。

「ちょーっと待って下さいよ!便器って何すか、便器って!」
「最初は『ケジメをつけて貰う』だけしか言ってにゃかったけど俺にだけ特別に教えてくれたのにゃ」

騒ぐジンクさんを余所に自分とハノンは何をどうしたら良いか考える。明後日には皆が帰ってくるから出来るだけ早々と済ませたい。
ジンクさんを適当な理由を付けて憲兵としてハノンが確保し、引き渡すついでに協力したとして自分の株も上げる、というのは最終手段にして。
第一意見としてハノンがセップクを挙げた。何処かの国の不祥事を起こした際の礼節らしい。

「やり方は?」
「まず不祥事を起こした方がセイザして、扇で腹を切る真似をする。そして介錯役に首を落として貰う」
「難しいね、死ぬから」
「その後で繋げて蘇生させれば問題無い」
「蘇生したって解ったら?」
「二回目」

話が全く進まなさそうなので止めた。エンフィさんはヴィアナさんとレンカさんと、ボナさんはフーガさんに首筋を撫でられ喉を鳴らしている。
お互い合意の上なら全く問題が無い様な気もする。ここは一つ抱いた娘息子他にも一肌脱いで貰わなければならない様な。
どう連れ出すのは一旦考えない事にして方法を練る。親という者は大体その子や孫に弱いものだ。自分は大分外れてはいたが。

「……そういえば、抱いた五人同士の面識ってあったっけ」
「……あった?」
「…え、あの、その」

無いようだ。ますます話が拗れ捩れ捻れる可能性が大いにある。まさかジンクさんもこうなるとは思って居なかったのだろう。

「迎え撃てば良い」
「仮にも味方を?」
「構わん、けふっ、けふ」
「んー?え、ちょっ、皆聞いてー!」

レンカさんが耳元を押さえながら声を張り上げた。良く響く声で皆の注目を集め、フーガさんの手付きが段々と下っているのが端からも見えて。

「こっそり茶熊君を盗聴してたんだけど、ジンク君が抱いた、若しくはヤった五人が集まっちゃって」

ごぎゅり、と有り得ないような大きさの音を立てジンクさんが生唾を飲み込んだ。

「……すんごい荒れてる。泣き声、銃声、爆発音…もう引き渡しちゃおうか?」

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あきゅろす。
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