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二度寝には謝罪表明
「……僕を、襲ったりは…しないん…ですか……?」
「流石に怪我人襲う程俺は非道じゃないにゃ……触り心地気持ち良い…」

むぎゅり、と自分の頭がボナッシュさんの胸元に。心臓が脈打っているのだと解る。暖かさに包まれて更に眠気が増していく。
気を抜いたら今にも堕ちてしまいそうな。それぐらいにボナッシュさんの体温やら何やらは心地が良く、あ、眠ってしまう、

「………………」
「ふふふ………」

楽しそうな声が聞こえた様な気がした。今度は夢を全く見ずに、若しくは見たのに忘れているだけかもしれないが、実に深々と眠った。
自分は目蓋を閉じている。肩に置かれた誰かの手が自分の身体を揺すっている。起きて欲しいらしい。ボナッシュさんがもう隣に居ない事を感じながら、自分は眼を開けつつ身を起こして。

「…っ申し訳御座いませんでしたぁぁっ!」
「……………」

寝覚めにかなり衝撃の強い光景が目の前に広がっていた。此所は病室の筈なのだが。
暴走して自分が壊して止めた飛行ユニットの製作者である獅子人が、深々と土下座をしていた。全裸で。隣でレンカさんが笑っているのか怒っているのか微妙な表情を浮かべている。

「……君へどう償わせるかどうか考えて、依頼料を彼の自腹で倍額払う事と、全裸一週間で決まったわ…これに免じて、許してくれない?」
「………特に目立った怪我もしてないので、それで良いで」
「良くないです」

扉の方で声がした。同じく自分と競争をしていた狼人だ。此方に向かって身体を隠していて顔だけ見せて、唯一見えている肩口には何も着けられていない。

「…何でこっちも全裸一週間をやらなきゃいけないんですか?」
「……だってお前、負けたじゃねーか。ビリッケツだよ、全裸二週間でも良いとこだよ、感謝しろ俺に」

身体を起こしながら獅子人が返す。局部が見える前に布団に潜り込んだ。数本ボナッシュさんの毛が。

「何だとぉ!だから暴走したりなんかするんだ!日を改めてもう一度勝負しろ!今度こそ勝つ!」
「上等だコラぁ!……レンカさん、その時は参加してくれますか…?」
「ふふふ、日を改めて良いのかしら?サイ君のあれを解析してる内、改修案が三つ程出てきたのだけど?」
「……………」

丸く収まったみたいで、良かった。

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