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開放的は要注意
にこにこといかにも優しそうな笑顔をこちらに浮かべて、笑い返しそうになる。

それ以上に服装が気になるから笑えないが。
「えー…いきなりこんなんで悪いな。」
レザラクさんが頭を抱えている。ひょっとして常にこの格好なのか?

「君がスカウトされてきた新人君かい?」
にこやかな調子で聞いてきた。
「はい。…サイ=スロードです。」
「私はフーガ=ラグム。ここの食事兼回復兼留守番係だ。」

自分の手が握られ、数回上下に揺らされる。
羽毛のふかふかとした感触が心地良い。

「……夜に歓迎会をやる予定だ。何かリクエストはあるかな?」

唐突に再び質問が。歓迎会だから好きな食べ物を聞いているのだろう。
正直好き嫌いはあまり無いけど……
「…さっぱりした物が」
「うん、解った。サッパリ系だね。」
ずっとこちらに愛想良く笑いを送り続けている。
ひょっとしたら服装以外は普通に良い人かも

「……夜に私の部屋に来てくれないかな?」
「………」
「君みたいなのは、こう、ギュッてやりたくなるんだよ。
私の身体でひたすら気持ち良くさせたい。」

あの息を荒くしてこちらをロックオンしてた虎人と同じ雰囲気だ。
肩を掴まれて、鳥人の鋭い目が確実に自分を獲物として見ている。

「フーガ、続きは夜にしてくれ、あと所長はいるか?」
「んん…、確かに夜にやるのがベストだよね。所長は上にいる筈だよ。」
肩を離した途端にヤクトさんの側へ。恐らく正当な動作であろう。

「だとさ…上に行くぞ。」
「サイ君、夜に返事待ってるからね。」
……夜だろうが昼だろうが全力でお断りします。

……階段の手摺がねじれているのは何故だろうか。
荷物を持ちながらだと少し登りにくい。
…………
「所長さんはちゃんと服着てますよね?」
「…もし全裸だったら?」
「少し考えを改めさせて頂きます。」
「……だろうな。」
「…いつもはみんな着てないなんて事は」
「……フーガ以外はまともだよ。」
ああ、良かった。

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