[携帯モード] [URL送信]
理由、小柄、回想と会話
全身を包む金属製の服。幾らかの武装も用意するつもりらしく。技術の結晶。いや、だから何故自分が選ばれたのだろう。

「イメージは完璧。だけどまだ試作機の段階で色々と、まあコスト削減の為にね…出来る限り小さめに作りたくて…でも子供を使うのも何だし」
「…………要するに、僕の体格に合わせて強化服を作った方が安上がりな訳ですか」
「その通りっ!それにひ弱な相手が装着すれば、どれくらいの力が出せるかがより強調され……とにかくっ!」

レンカさんが両肩を掴んだまま立ち上がり、自分の身体も強制的に引き起こされる。足に残る痺れのため少しふらついたが、転びはせず普通に立ったままでいられる。
その手が自分の両手をしっかりと握り締めたまま顔が近寄る。やはり自分より背が高くて、胸の方が近い。

「お願い…私に協力して貰えるかしら?」
「………………」






これは何?
『この騒ぎを終わらせる為に造った物です』
終わり?本当に終わるの。また外で遊べるようになるの?
『上は殆ど更地になりかけていましたけどね。遊ぶ気があるなら何とかなるでしょうが……』
それは良かった。僕は本を読みたいけど、誘われたら行くから。
『…サイ、もしかしたら私は、大変な事をやらかしたのかもしれません。もしくはこれからやらかすでしょう』
……解っているのに、止められないの?
『止まらないと思いますよ。サイ、私がどんな思考、性格をしているか……理解していれば嬉しい』
何となくでしか、解らない。
『それで良いですよ。何となくでも解ってくれたなら…』
……これを着るの?
『突き詰めた結果がこうなりました。何時か世の中でも此れに行き着く相手がいるかもしれませんが、これとは少し違うと思いますよ』
僕みたいなのも、シゼルニーも扱えるようになるかな?
『そうでしょうね。ですがサイ、貴方にはお勧めしません』
何で?僕もたまには力持ちになりたい時もあるのに。
『これを見てしまったからですよ。だから貴方は私を目指してしまいます。これは残酷で、陰惨で、非常識で、理不尽。そんな代物なのですから』

[*バック][ネクスト#]

18/20ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!