[携帯モード] [URL送信]
爆撃、銃撃、再度の襲撃
何が起こったのか、一瞬理解に戸惑った。連続的に身体中に走り抜ける衝撃に爆音。どうやら落ちてきた葉が爆発したらしい。
魔物だから仕方ないと割り切る。そうしないとやってられない。まだ葉は降り注いでいて。耳鳴りが酷くて何も聞こえない。しかし避けなければ。

「っ……」

降下、再び森の中へと。緻密に陽光を隠している枝葉の下なら少しは持つだろうか、炸裂、そして爆発。森がまた揺れる。音はまだ聞こえてない。
森から飛び立って逃げてしまいたかったが、あそこまで量が多いと無理がある。普通ならば。生身で突撃したとしたらの話だが。
「眼」は木々の上まで、振り落とされる葉の様子や、一番近い位置にある樹、もとい魔物の姿を捉えている。
銃の後部に着けられたフックを引く。ほんの少し待てば準備完了。まだ当たりは爆発音が響くが、射線上の樹ごと撃ち抜いてしまえば良い。両手で構え、引き金を引いた。

衝撃が強い。思わず引っくり返りそうになる、浮いたままなので結局その場で一回転してしまう。
「眼」が銃弾の代わりに放たれた衝撃波に飛ばされ、樹などは全て貫通した事、魔物の身体を撃ち抜いた事を自分に見せてくれた。

おぉぉぉぉぉ…!

何故、他の魔物は叫び声を上げたか。見た目以上に同族を思いやる気持ちを備えているか、実際に痛みを受け取ったか。連動。地面で繋がっている、だとしたら魔物は一体のみで

「……………」

めきめきと音を立てながら魔物が再生し始めた。大分暗い色をした血が止まり、先ずは身体。口。うねる頭上の枝に、生やされた葉。
直ぐに復活してしまう、この再生力があったからこそ他の魔物に襲われても生きていけたのだろう。
問題はそんな相手が、自分を本気で狙っている事か。

「んー……」

自分が飛んでいる間もぼぼん、ぼんぼんと無差別爆撃は続いている。森が丸裸になるかもしれない、そうしたら少しは明るく

「……げほっ…!」

急に眼が痒くなって、喉が苦しい。堪らず咳き込んでしまって吐き出した痰は嫌に濃い色で。
やっと戻ってきた聴覚には、爆音に混じり羽音が聞こえた。

[*バック][ネクスト#]

12/20ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!