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悪行、暴露、制裁と露出
目の前の相手は無防備に眠っている。あそこまで防衛魔法を仕掛けていた為か心底安心仕切っている様で。

『この屋敷の一人息子だ、高い金を払って家庭教師に英才教育を施されているけどそこまで頭が良い訳じゃない、学校に行ってない分自己中心的な考えしか出来ない、
更に言ってしまえば常識自体欠如してるし性的暴力的な事を振る舞われて辞めた者もかなり多い』
「まるで有りがちな設定のお坊っちゃまだね」
『だから、取り返しのつかないような事で灸を据えよう、サイ、さっきの水を顔から掛けていってくれ』

起きない事を願いながら、先程汲んだ水を相手の頭に掛ける。基本獣人の身体全体に生えている体毛が水が掛かった端から抜けていく。
幸い布団は無造作に脇に除けられていた為、全身余す所無く水を浴びせる事が出来た。

「もう良いかな?」
『そうだね、十分さっぱりした』

目の前の相手は犬人、の筈だが、全身体毛は生えておらず不気味な滑りを帯びているような身体そのものが丸見えだ。
毛に隠れていた分耳が大きく見える。尻尾も非常に貧相に見える。しかし彼は平然と眠っていて。

『……サイ、次は両親の部屋に行ってきて、行き方は………』

扉を開ける、廊下を進む。使用人含めてだからか、広過ぎやしないか。長々と続く螺旋階段。悲しい事に僅かに膝が笑った。
辿り着いたのは分厚そうな、尚且つ装飾が他のものに比べ煌びやかな雰囲気を漂わせている。胡散臭さはそれよりもずっと強いが。

『……部屋の中にまで防衛魔法が仕掛けられてる。徹底な用心深さ、結局我が身が一番可愛いんだ……あ、魔法なら解いたから入って』

シゼルニーは彼等の用心深さを易々越えてしまった。指令通りに扉を開けて入る。
目の前には愉快な世界が広がっていた。

テーブルや椅子の足まで丁寧な装飾が施され、天井も星のように僅かな光を反射して宝石が埋まっている。何の目的でそうしたのか。
「ぶぐぅぅっ、ぶぐぅぅぅっ……」
「がぁぁっ、ごぉあぉっ……」
天蓋付きの如何にも豪華そうなベッドには二人の犬人が二人。
どちらも息子に比べると、完全に幅や弛みが勝っていた。

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あきゅろす。
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