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賢明だから一先ず快諾
まあ質問の受け答えは快く引き受け、それから記憶がおぼつかない。
確か言われた質問は全て返した。

何度か質問されたので、少し言わなくてもいいことを言ってしまった気もする。

一息ついて、長めにぬるいシャワーを浴びて、夢を見ずに眠った。それで……


自分は椅子に、テーブルを隔てて二人が自分に向かい合う形で座っている。
「えーと……ヤクトさんとレザラクさんでしたっけ…」
「お、名前を聞いてたのか、御名答…」「………」
「…読んでんじゃねぇよ……」
昨日見知った顔がこちらを、白い竜人は活字を見ている。
……ああ、確か呼び出されて、それで…
「えー、サイ=スロードだよな?」
「…はい。」
「ウチの便利屋に入ってくれ。」「……はい?」
「所謂スカウトって奴だ。…どう?入るか?」

ちょっと待った、いきなり何なんだ?あーこれは明晰夢だろう。
何だ、まだ夢の中か。でも受け答えはちゃんとしなくちゃ。

「…何故僕を?」
「それはなぁ……」
レザラクさんが本を閉じ、椅子から立ち上がった。
「…お前の力を認めているからだよ。」

……ほら、やっぱり未だに夢の中だ。
「お前の力は便利屋に入ったらすげぇ伸びるぜぇ?」
ヤクトさんも立ち上がる。
「僕に力なんてありませ…「ともかく」

……あれ?何で二人が自分を挟むようにして立っているんだろう…
「便利屋に入るか、」
言いながらヤクトさんが右肩に手を置く。
「快く入ってくれるか」
レザラクさんも左肩に手を置いて……え?
「どっちがいいか?つーか入ってくれ。」
何で自分なんかが勧誘をされているのだろう。いざされてみると疑問しか沸いてこない。
「…何で僕なんかを?」
「…ああ、それは言っとくべきだよな……」
肩から手を離してヤクトさんが話す。
「まず、昨日の事は覚えているか?」「そりゃあもう。」
第一射から第二射まではっきり覚えていますよ。
「それでな、あの狐は憲兵志望らしいじゃないか。」
言っている相手がラーツならその通りだ。
「だからお前しかフリーな奴はいない。だから誘った。で、入ってくれ。」
……確かに入りたくないと言ったら嘘になる。でも力も魔力も持って無い。
でもこのチャンスは逃したくない……
「……解りました。心行くまで流されます。」
「おおっ!」「良く言ってくれた!」
……自分の力については、後で考えるとしよう。今は折角の道を逃さないのが吉だ。

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あきゅろす。
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