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潔白な移り身で武骨者が
少々隠した部分もあるが話し終えた。暫く鋭い視線を送り続けていたが、やっと肩から手を離してくれた。
「……嘘は、ないか?」
「ありません」

但し話していない事はまだ有ります。心の中でそっと呟いていると、蒼蜥蜴人が深く細く息を吐いた。

「何にせよ、その日全員の記憶が無くなっているからな…」
「はぁ」
「後は、君の証言と、彼の証言と食い違いがあるかどうかだ………」
「………………」

どう辿り着いたのかは知らないが、赤毛さんも何故か呼ばれ尋問を受けている。今まさに。
もしも全てが明かされたのならば皆死刑は確実に違いなくて。しかし首吊り、電気椅子、毒のどれも効きそうにはない様な体質で。
全て試しても駄目だったならば、どうやって彼等を殺すのだろうか。

「……真犯人が解った…」
「何……?」

と、ハノンが部屋の中へと入ってきた。赤毛さんの尋問を担当していたようで、片手には紙が握られている。
言葉に反応したか、既に蒼蜥蜴人は自分の前には居なくてハノンに詰め寄っていた。

「犯人は、誰だ……!」
「最初に言っておく、街の件と収監所の件を起こしたのは、同一人物、そして」
テーブルの上に、紙が置かれた。赤毛さんの証言の元ハノンが描いたのか精巧な人相書。

「これが、犯人の顔。サイ=スロードは元々被害者だった」
「………!…」

そこには、イセラさんが描かれていた。



自分はイセラさん抜きで話したが、
赤毛さんはイセラさんと自分の事は別として証言したようで。

曰く、自分とゲームしていたら変な団体に連れていかれ柱に縛り付けられた、
しかしそこで颯爽とイセラさんが上から現れ団体の虐殺を始めた。
危なそうだったから力を振り絞り縄をほどき、慌てて街から逃げた為そこまで。
その後自分が捕まってしまった事が何処か漏れていたらしく風の噂で聞き付けた。
何とか誤解を解きたかったが向かう途中に、自分がイセラさんに抱えられ飛んでいったのを目撃したらしい。


自分の前まで近付いてきた、途端に蒼蜥蜴人の姿が視界から消える。

「いらぬ疑いを掛けて、申し訳無かった…っ……」
「…………」

無言で押し通すのが一番だろう。

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