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早急な治療で応援が
ハノンが素早く治癒魔法を放てば緩やかに黒ずみが消えていく。心なしか顔色も穏やかに。しかし頭上には敵が飛び交っている。

「…………」

後ろを向かずドミナーさんを治しながら、片手で纏めて持ったバールと金槌を振るえば炎と氷の塊が同時に飛んだ。
追撃を加えようとしている竜と搭乗者、その近くで炎と氷が混ざり合う、直ぐ様大量の蒸気が出来上がり視界を完全に塞いでしまって。

「……………」
「………済まないな…」

黒ずみが完全に消えたのを確認し、ドミナーさんが立ち上がった。軽く擦り痛みが無い事を確認してか立ち上がった。

「………ドミナー、一体何があったよ?」
「…………相性の問題」
「えっ?」

シフカさんが聞いても、ハノンが返してしまった。何と無くは予想出来る。

「…それ以前に視界を封じられた場合相手が行うとしたら広範囲に渡る攻撃で…」

呟きながら金槌を地面に触れさせる。するとばりばりと音を立てて氷の柱が聳え立つ、柱の脇から傘を開くように、まるでキノコのような防壁が出来上がった。
最後に水色の粘っこい液体が頭上から降り注いだ。水滴となって落ちずに、だらんと垂れ下がっている。

「………どうする?」
「……おい、蒸気が晴れてるんだが」

氷に触れて蒸気が水滴へ戻ってしまった。灰色竜が口を開いて硝子を吐こうとしている所まで解り、

「抜かりは無い……アイミ」
「解った」

アイミさんが氷の柱に手を触れどうやら魔力を送っている、直ぐ様氷の傘が上方に、要はぱくりと閉じてしまった。粘液ごと灰色竜を内側に閉じ込めて。

「……っ………!」

エイサスさんが笑いを堪えているのか口元を押さえ転げ回っている。気付いたのだが水滴が全く落ちてこない。魔力入りの氷で溶けにくくなっているようで。
硝子を吐こうにも粘っこくて身動きすら取れていなかった。

「後はあの………?」

シフカさんがもう一匹飛んでいる筈の竜を見た。不思議そうな表情。何かに捕まったように高度が下がっていて。

その下方には馬人、蜥蜴人、白い豹人。確か雪豹人という種族か。どうやら助太刀してくれるらしい。

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あきゅろす。
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