到着な仲間で重傷が
「さぁ、竜狩りを始めるか?」
楽しそうに呟いたシフカさんの背中には無数の槍が背負われていて。どうやら投擲用らしい。ズボンを履いているので一安心。
「頑張ってね。僕は特に出来る事無いという事にしてるから」
エイサスさんは既に後ろに下がっている。出来る事と出来ない事が解っているためか、単に面倒臭いからか。
「じゃ、頑張ろうかねー……」
声でクグニエさんと解ったが、外見は蜥蜴人だ。被っているのだろう。尻から突き出ている長めの尻尾が動く様子は無く、地面を掃くばかり。
「……………」
「……………」
ハノンとアイミさんが此方を不思議そうに見詰めている。しかし直ぐ様竜の動きを追うように。
「揃った事だし、ヤりますかっ!」
赤毛さんが呟いた時、自分とエイサスさんを除いて一斉に動いた。
赤毛さんが炎を飛ばす。シフカさんが槍を二本同時に勢い良く、少し耳障りな掛け声に合わせて投げる。
炎を槍が突っ切った、同時に槍は炎を纏ったまま勢い良く薄紫竜の両翼に突き刺さり、煙が其所から昇る。内側から焼かれている。搭乗者によって光に包まれるも第二射が素早く。
今度もまた竜の翼を撃ち抜いた。流石に堪えたか高度が落ちていく。が、竜が光に包まれると立ち上る煙も徐々に少なくなっていき、高度が下げ止まり、
「もーらいっ」
ドミナーさん達が待ち構えていた。クグニエさんが足元の空間を曲げ、歪ませる。ドミナーさんの体重に合わせて沈むかのように。後は歪みを戻すだけ。一気に戻された空間は僅かでも莫大な反発を生む。
ドミナーさんが跳んだ。薄紫の竜を軽々通り越し、その背中にどしんと着地する。反動で竜がよろけた。笑顔を浮かべているのか解り、
搭乗者が弾を放った、光を帯びたままドミナーさんの身体に命中、
痛々しそうに撃たれた箇所を押さえながら、ドミナーさんが落ちていった。
「…………」
一番早く動いたのはハノンだった。鈍い音を立て地面にドミナーさんは倒れ伏す。足早に近付いてみる。振り向けば赤毛さんも表情から笑顔が消えていた。
「…が………?」
「……………」
痛々しい傷。皮膚が抉れ焼き付いた様に黒ずみ、再生しなかった。
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