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硬質な戦況で応戦が
優雅に頭上を飛び交っている巨体に向かって銃弾を放つ。竜の全身を包む鱗は相当な硬度を持つようで、小さな金属音がここにまで響いている、対して効果は無いようで。

「……固い…」

前方に立つハノンが呟くのが聞こえる、バールと金槌にはびっしりと彫刻が施されていた。金槌を構え、振るえば顔程の大きさをした氷塊が薄紫竜と搭乗者に向かって飛ぶ。

が、阻まれた。竜には堅固な鱗によって、搭乗者に至っては全体に張られていたらしい障壁によって。試しに搭乗者を狙って撃ってみるが通らなかった。
アイミによって再び灰色竜の頭部が爆発。呼吸が阻まれたのか数度咳き込み辛そうにしている。見た目は少々汚れており効いているかどうかは解らない。

「流石ドラゴンだなっ…じゃあこんなんはどうだっ!」

赤毛さんは相も変わらず楽しそうな様子のまま、腕を振って炎を灰色の竜に。と思えば曲がった。翼にその炎が掛かり、一気に燃え広がる。
熱そうな呻き声、高度が下がっていき、と思いきや搭乗者が手から白い光を放って。治癒魔法の一種らしい、忽ちに翼の炎が消えた。そして口が開かれ、発射体制へ。来た、しかし様子がおかしくぶんぶんと首を振り悶えている。

「口の中までは柔らかいみたいだな………」

ドミナーさんの言う限りではどうやら針を口内に投げ刺したらしい。だが搭乗者が再び治癒の光で口元を包む。たちまち癒えたその口が開かれ勢い良く硝子が飛び出した。

「ひょいっ」
「…っ……」

赤毛さんに引かれるがまま硝子の雨を避ける。先程よりも範囲が広く、ドミナーさんに刺さってないのだろうか、
刺さっていた。腕で防御して身体までは行き届いてない。腕は完全に貫かれているが。

「………ふん!」

掛け声と同時に硝子が抜けた。穴の空いた腕が見事に塞がっていく。改めて悪魔はとてつもない。色々と。

「…………」

しかし周りを硝子に囲まれ動きは制限されている、逃さない訳がない。灰色竜の搭乗者がボウガンを構え、

「ぬりゃぁぁぁ!」

掛け声、少し遅れて灰色竜の身体に数本棒状の何かが突き刺さる。エイサスさん達が、漸く駆け付けた。

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あきゅろす。
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