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足早な依頼で爆弾が
無言で見られている。エイサスさんの眉間には少し皺が寄っている。服を少しだけ掴まれている。

「……………」
「……………」

重圧に耐え兼ね自白したら負けだ。悪魔達に怒られはしないだろうが色々騒がれる。何と無く言い難い。トキザに場所を変えて貰うべきだったか。

「………やめた、君にそこまで興味が無い」
「……………」

視線を離してくれた。

「具合の良さからして、二人きりでヤりたいのはあるけどね」
「……………」

クグニエさんに少し笑われた。

「それは同意するな。人間は元々随分具合が良いが、サイはまた一段とな」
「そりぁお前と体格差がそんな有るからだろ?俺も最後まで」

がらんっ。
『大変だぁ!爆弾抱えた奴が街中で自殺図ろうとしている!急いでどうにかしてくれぇっ!……はぁ…はっ…』

急いで駆けてきたのであろう荒い息遣いが暫く聞こえてくる。前払いどころか報酬も期待出来なさそうで。

「……行こうぜっ!」

しかしイセラさん他に楽しそうな笑顔を浮かばせるくらいの効果はあったようで。たまには良いか、と自分はカゲロウになるための被り物を取ろうと部屋へ。ついでにマフラーも。



全員で来ないのは始めてだ。ドミナーさんとエイサスさん、そしてイセラ改め赤毛さんに自分。

「ほれ以上近ふくなぁ!爆発ふっぞぉ!」
「成る程、確かに爆弾だ」
「しかしとんだ困ったちゃんだなっ……」

エイサスさんの呟いた通り、上半身裸にぐるりと腰巻きのように爆弾が巻き付けられていた。
イセラさんの言う通り、彼は困った人だった。爆弾に配線で繋がれたスイッチが、彼の舌の上に乗せられていた。

「配線を切れば何とかなりそうですが、ぴったり身体に貼り付いてますね…」
「アナタの目的は何ですかーっ?」
「僕は…僕はっ、よの………………」

話し出したかと思えばいきなり声が聞こえなくなった、それ以前に身体すら全く動いていない。完全に固まっている。

「馬鹿じゃねーの、何かもうそれだけ」
「もう少し他人を巻き込まなければ良かったものの…」

そんな中を蜥蜴人と馬人が平然と近付き、舌の上からスイッチを取り出した上で配線を切った。

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