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御遠慮無しの水分と二度寝
声は皆が聞いている筈なので普通に戻り食事の続きに取り掛かって。

「無理矢理飲ませたらイセラ以外直ぐに眠ってしまってな。そこまでまずい状態だったのか。サイに感謝しないとな……」
「………………」

ドミナーさんがドリンクを飲ませ終えたのか自分の向かいに座っていた。盆の上のジョッキは全て空になっていた。

「……街中は今どうなってるんでしょうね」
「大分エグい感情が溢れ返ってるから、今日はゆっくり過ごすか?俺に抱かれっぱで」
「……今夜、月をどうにかしようと思います」
「ほう……で、具体的にはどうすんだ?」
「内緒で」
「ちょっとだけでも」
「秘密です」
「解った、楽しみにしてるぞ…」

食事終了。朝からがっつり食べられるといやに目が覚める。イセラさんが起きているらしい、簡単なゲームでもやって時間を潰す事にしよう。



「若干ふらふらするな…まだ立って歩くのも難しいとは……」
「……………」
「ははっ、楽しいな。揺れてるようにも感じる、んでもってサイが柔らかいっ!」

予想が相当外れたが、イセラさんの身体は暖かい。手招きをしてきて近付いた途端に身体が抱き締められていて。
就寝時のように赤くて紅い腕が身体に回されて朱くて緋いイセラさんの腕の中に包み込まれる。それなりに悪くは無い。

「………急に、何ですか?」
「頭まで血が登らねぇし、原因を作ったのはサイなんだろぅっ?だからせめてベタベタさせろっ」

頭を緩やかな調子で撫でられながら背中を優しく擦られると、つい警戒心が薄れてしまう。
そのままの状態で頬擦り。じんわりとした暖かさが伝わってくる。二度寝でもしてみようか、悪魔の前で無防備に眠るなんてとても危ない気がする、が

「………………」
「………眠そうだな?寝てて良いぞ、昼には起こしてやっから…」

瞼が自然と重量を増してくる、支えきれずに司会が徐々に狭くなっていき、気付いたらしいイセラさんが笑う。

「……何も、しませんか…?」
「俺が抜いた牙に誓って」
「………………」

何かする訳にはいかないのさ、と微かに聞き取りながら寝入ってしまった。

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